Oracleが、マルチコアチップ搭載サーバ上で稼働するデータベースとミドルウェアについて、ライセンス体系を変更した。同社はここ数カ月間、デュアルコアチップ搭載サーバに対するライセンス方針をめぐり、さまざまな要望や批判を受けてきた。今回の変更により、同社の方針は競合他社のものに少し近付くこととなった。
Oracle Storeウェブサイトに掲載された最新のライセンス条件によると、同社は、マルチコアプロセッサの各コアをチップ1個の4分の3に相当すると考えて、データベースやアプリケーションサーバ製品のライセンス料を計算するという。
Oracle関係者は米国時間14日、翌15日に電話会議を開き、ライセンスや価格体系について説明すると述べた。
Oracleはこれまで、各コアを別プロセッサとして扱うとしてきた。この方針は、ほかの多くの大手ソフトウェア企業のものとは異なっていた。
Microsoft、Red Hat、Novellなどのように、基盤ソフトウェアを提供する大手企業は、マルチコアチップ1個をシングルプロセッサ1個分として扱うライセンス体系を設けている。
IBMも4月に方針を変更し、Advanced Micro Devices(AMD)やIntelのデュアルコアチップ1個をシングルプロセッサ1個として扱うことにした。ただし、同社は、自社製のPowerチップ上の各コアについては、それぞれプロセッサ1個ずつとしてカウントし続けている。
IBMが方針を変更した後、Oracleは、大手ソフトウェア企業の中で唯一、各コアを1個のプロセッサとして扱う方針をとり続けたとForrester ResearchのアナリストJulie Gieraは述べる。
「競合企業と対抗するうえで、Oracleは変わる必要があった」とGieraは説明する。「Oracleは、デュアルコアなどのマルチコアが十分に機能しているかに関係なく、各コアに対して課金することで、顧客を利用してきた」(Giera)
Gieraは、今回の変更により、Oracleの顧客が抱えてきたいらだちや不満が少しは和らぐのではと考えている。
マルチコアプロセッサは、一片のシリコン上に、コアと呼ばれる演算ユニットが2個以上配置されたプロセッサのことである。しかし、同技術を利用することで、熱の発生を減らしながら、マシン性能を向上させることが可能になる。ただし、2個のコアを使うからといって、マシン性能が2倍なるわけではない。
2005年に入り、IntelとAMDが最初のデュアルコアチップを発売したことで、デュアルコアシステムの普及が進むと予想されている。IBMやSun Microsystemsも、複数のコアを持つサーバ用チップを既に市場に投入している。
サーバソフトウェア製品には従来より、プロセッサ単位でのライセンス料金が適用されてきた。しかし、新技術の出現によって、この慣習に対し、異論を唱える人々が増えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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