ITマネジャーにとってデスクトップコンピュータは相変わらず悩みの種であり、また企業がコンピューティング関連のアウトソーシングを選択肢に取り入れるケースが増えている。このような状況のなか、仮想化を専門にするSavvisでは、新しいシンクライアントサービスが法人顧客に確実に支持されると信じている。
同社が米国時間22日に発表した「デスクトップ・ユーティリティ・コンピューティング・サービス」は、企業がPCのセキュリティ、可用性、保守といった管理関連の諸経費を抑制する上で役立つことを狙いとしたサービスだ。これを利用すれば、従来のデスクトップPCをSun Microsystems製のシンクライアントと入れ替え、しかもその管理をSavvisに任せられるようになる。Savvisはデバイスの管理を行い、各社が社内のデスクトップ業務アプリケーションで利用するサーバの運用を監視する。
Savvisのサービスは、ユーザー単位の定額制となっており、さまざまなコースが用意される。同社はデスクトップPCをSunの「Sun Ray」シンクライアントと入れ替え、Savvisが一元管理するサーバ上のプログラムやファイルストレージを利用できるようにする。同サービスはSunのTarantellaデスクトップソフトウェアも活用し、MicrosoftのWindows用アプリケーションやSunの「StarOffice」をサポートする。
同サービスはまず欧州で投入され、米国でも今年中に展開されることになっている。同社幹部によると、顧客はデスクトップを徐々にシンクライアントに入れ替えることに意欲を見せつつあるという。シンクライアントの利用とアウトソーシングによるデスクトップの管理はまったく新しいものではないが、Savvisでは、顧客が従来のPCのインフラに替わる選択肢をより積極的に検討するようになっていると述べている。
SavvisのCEO(最高経営責任者)Rob McCormickは、「パフォーマンスの問題を解決する帯域幅が実現したり、PCの保守費用がふくれあがるなど、昨年からデスクトップのアウトソーシングが検討しやすくなってきた。IT部門は社内のインフラ構築で新たな手法を検討し始めているが、資産を購入する代わりにインフラをサービスとしてレンタルする、という基本部分に変化はない。仮想化は、サービスプロバイダーがそれを効果的に提供できるようにするための技術だ」と語っている。
McCormickによると、シンクライアント技術と、それがデスクトップコンピュータと同等のパフォーマンスを実現する能力に否定的な見方をする人もいるという。だが同氏は、この技術の採用に向け、ますます多くの企業が準備を整えつつあると考えている。
「顧客は以前にもこのモデルを目にしたことがあるが、その時には受け入れの態勢が整っていなかった。1990年代半ばに登場したシンクライアントは非力で、アプリケーションの数もそろっておらず、デバイスの性能も低かった。しかし、利用できる帯域幅が広がり、シンクライアントの処理能力も改善したことから、現在ではまったく状況が異なっており、そのことを理解しているIT管理者もたくさんいる」(McCormick)
Savvisによると、現在すでに数社の企業がこのシンクライアントのレンタルサービスを試験導入しており、同社では近い将来さらに多くの顧客がこのサービスを利用すると予想している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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