ワシントン州レッドモンド発--Microsoft WordやExcelのファイルは、過去20年間にわたって、企業のなかでほぼ完全な自由を謳歌してきた。
昔の職場では、これらのソフトウェアで作成されたファイルの受け渡しにフロッピーディスク(FD)を使っていた。そのため、大量のFDが部門間を行き来していた。その後、電子メールが普及すると、ファイルのやり取りはもっと広範囲に行われるようになった。いまでは、世界中の拠点間でこれらのファイルを簡単にやりとりできるようになっている。
しかし米国では、企業改革法「Sarbanes-Oxley Act」や医療保険の携行性と責任に関する法律「Health Insurance Portability and Accountability Act」など、企業による情報管理の方法を厳密に規制する連邦政府の記録管理規制が施行されたことで、かつての自由な時代が幕を閉じつつある。
Microsoftにとって、これは一大事だ。同社では、規制がどのように変化しようとも、企業各社に今後も必ずExcel(そしてWordやPowerPointも)を使ってもらいたいと考えている。
MicrosoftのChris Capossela(Information Worker部門バイスプレジデント)は、先ごろ当地で開かれた同社のCEOサミットで講演した際、「100万ドルかそれ以上の価値があるIP(知的財産)を含んだ文書や表計算シートを、われわれは『百万ドルの書類』と呼んでいるが、われわれにはこうしたファイルの管理に必要な手段をIT部門に提供できるチャンスがあると認識している。これらは、IT部門がコントロールできるものでなくてはならないが、同時にExcelユーザーが構築できるものにもしたい」と語った。
Microsoftは、Officeの次期バージョンで、企業が文書管理に関するルールを設定できるようにする。この仕組みにはサーバベースのソフトウェアが使われる。この変更は、同社が「新しい仕事環境」と呼び、次世代のOfficeが取り組む、いくつかのトレンドの1つに過ぎない。しかし、Microsoftは流れの変化も同時に理解しており、小さなことでも見逃さないよう努めているという。
同社は、長年の調査活動に加え、さまざまな業界や地域、年齢にまたがる人々の作業内容の違いを検討する取り組みも拡充している。昨年には世界各地から十数人の団塊ジュニア世代を本社に招いていた。
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