Symbianが米国時間2日、スマートフォン向けのオペレーティングシステム(OS)「Symbian OS v9」をリリースした。同OSは、セキュリティが強化され、より柔軟なカスタマイズが可能になったほか、企業ユーザー向けの機能が追加されているという。Symbian OS v9を搭載するスマートフォンは2005年後半に発売される予定。
2日朝、同社のマーケットコミュニケーション担当バイスプレジデントPeter BancroftはZDNet UKに対し、同OSを採用することで、メーカーはよりニッチなユーザー(モバイルワーカーやゲーマー、マルチメディアサービスをしばしば利用するユーザーなど)を意識した端末を開発できるようになると述べた。
Intelは昨年10月、Symbianの3G端末に対応したプラットフォームを開発中であると明らかにしたが、BancroftはこのプラットフォームとSymbian OS v9に相互運用性があることを認めた。
注目が高まりつつあるニッチ市場の顧客を囲い込む目的で、メーカー各社は端末の差別化に力を入れている。しかし、だからといって、市場が新しいユーザーインターフェースであふれかえることはないだろうと、Symbianは考える。その理由についてBancroftは、費用と時間を考えると新しいユーザーインターフェースの開発研究は誰にでも気軽に手を出せる分野ではないからだと述べる。だが同氏は、「市場で何が起きるか、誰にも予測できない」とも付け加える。
Symbian OS v9にはデバイスマネジメント機能が搭載されているが、これは携帯電話会社や企業のITスタッフがスマートフォンをリモート管理するのに役立つという。具体的には、この機能を利用して、リモート環境から問題点を分析したり、新しいアプリケーションをインストールしたり、インストール済みのアプリケーションの動作を確認したりすることができる。
Bancroftは、「携帯電話端末が多くの機能を持つようになるのは、素晴らしいことだ。だが、機能が充実すればするほど、サポート費用も高くなることに留意してほしい」とくぎを刺す。
企業ユーザーを視野に入れて強化された機能はほかにもある。例えば、携帯機器から電子メールへのアクセスを効率化するプロトコルInternet Message Access Protocol(IMAP)のサポートが改良されている。またSymbian OS v9では、Lotus NotesやOutlookのグループスケジューリング機能を利用できるので、社外でも打ち合わせを調整することが可能になるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」