ラスベガス発--日立から大小さまざまなハードディスクが登場する。
同大手電機メーカーのハードディスク事業部であるHitachi Global Storage Technologies(HGST)は当地で開かれたConsumer Electronics Show(CES)で、同社の超小型ハードディスクおよび1.8インチハードディスクをさらに小型化したことを発表した。
「Mikey」(開発コード名)という新しい超小型ハードディスクは、現行製品と比べて20%ほどサイズが小さく、記憶容量8〜10Gバイトで発売される予定だと、同社のBill Healy(製品戦略・マーケティング担当シニアバイスプレジデント)は語った。
また、1.8インチ径のプラッターを採用した「Slim」(開発コード名)というハードディスクは、従来比で約10%小型化されており、記憶容量は60〜80Gバイトとなる。
HGSTは、プラッターのサイズを変えずにこれらの小型化を実現した。Mikeyに採用されたプラッターは、現行の超小型ハードディスクと同じ直径1インチのものだが、モーターや他の電子部品が小型化されている。同社はまたコンパクトフラッシュ・コネクタも省略しため、Mikeyはメモリカードとしては利用できず、機器への組み込み専用となる。
HGSTの現行製品は最大で4Gバイトだが、同社は新たなプラッターを追加せずに超小型ハードディスクの記憶密度を上げている。同社のエンジニアらは、これまでと同じ面積の表面に、より多くのデータを記録する方法を見つけ出した。ハードディスク業界では記憶容量が毎年2倍程度増加するという傾向が、ここ数年続いている。
HGSTの超小型ハードディスクは現在、主としてiPod miniのような小型音楽プレイヤーに採用されているが、サイズがさらに小さくなれば携帯電話で採用される可能性も見えてくる。携帯電話で動画を見たり買い物をしたりすることが一般的になるのに従って、電話機でもストレージ機能が求められるようになるからだ。
「携帯電話機にプロジェクターの機能を組み込むというアイデアさえ出ている」とHGSTのHealyは述べるが、こうした技術が実現すれば、携帯電話のカメラで撮影した画像を平面上に投射して簡単に見られるようになるという。また、1.8インチのハードディスクはオリジナルのiPodなど、より大きな音楽プレイヤーに採用されている。
MikeyやSlimを採用した製品は、2005年の年末商戦に間に合うように市場に投入されるだろうと、同氏は付け加えた。
1990年代に超小型ハードディスクを発明したのはIBMだったが、同社の製品はそれほど多くは売れなかった。元IBM社員であるHealyによると、これはIBMが昔からビジネスユーザーに重点を置いてきたためだという。
「IBMは消費者を相手にしていなかった。それに対し、日本版のGEともいえる日立は、炊飯器や冷蔵庫から、原子力発電所に至るまで、さまざまな製品をつくっている」と同氏は述べている。厳しい状況が当たり前のハードディスク業界で、HGSTの今会計年度の業績は、黒字で推移しているという。
さらに同社は、3.5インチ径のハードディスクで500Gバイトの記憶容量を持つ製品も発売する。同社によると、通常デスクトップ機に搭載される3.5インチハードディスクのなかで、これは最大の容量を持つ製品になるという。競合各社から現在出されているのは400Gバイトの製品だ。
「われわれは、この製品をセットトップボックス向けに売り込もうと考えている」(Healy)
この500Gバイトディスクは2月に発売される予定で、予想小売価格は約520ドルだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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