Sun Microsystemsは15日(米国時間)にSolarisオペレーティングシステム(OS)の無料版の発表を予定している。これはRed Hatが2003年に開始した、OS製品を無料で提供し、1年単位のサブスクリプション契約によるサポートを販売するというアプローチに倣ったものだ。
Sunのソフトウェア事業担当エグゼクティブバイスプレジデント、John Loiaconoによると、x86プロセッサ搭載サーバ用のSolarisを提供するこのサービスは、同社に登録さえすれば誰でも無料で利用できるという。しかし、この新サービスは全てが無料というわけではない。Sunは、セキュリティアップデートについては無料で提供するが、バグ修正やサポートについては料金を徴収するという。
Loiaconoによると、Sunは2005年1月末に出荷予定のSolaris 10の販売開始と同時に、この新料金体系をスタートさせる予定という。各サービスの料金は、バグ修正サービスが1プロセッサ当たり年間120ドル、週5日、1日12時間のサポートサービスが1プロセッサ当たり年間240ドル、週7日、24時間のサポートサービスが1プロセッサ当たり年間360ドル、となっている。例えば、Advanced Micro Devices(AMD)製Opteronプロセッサを4基搭載したサーバ1台でSolaris 10を使用する場合の年間費用は、プレミアムサポートの料金込みで1440ドルとなる。
Loiacono によると、3カ月に1度、カリフォルニア州サンノゼで開催される製品発記念イベントで発表される予定のこの価格戦略は、Linuxに奪われた優位性を取り戻すためにSunが進めている野心的取り組みの前半部分に過ぎず、後半部分は、Sunがオープンソースライセンスの下でSolarisのソースコードを公開する60〜90日以内に明らかになるという。
Red Hatを標的にSolarisの競合製品としては、MicrosoftのWindowsやIBMのAIX、Hewlett-PackardのHP-UXなどのUnix OSが挙げられるが、Sunにとって特に悩みの種となっているのがLinuxの存在だ。というのも、LinuxはWindowsと同様に低価格のx86サーバ上で動作し、しかもSolaris/AIX搭載システムの管理者が使い慣れているUnixのスタイルや機能を採用しているからだ。
よって、LinuxのトップセラーであるRed HatをSunがSolarisで標的にするのも当然といえる。
これまでSunは同社の計画について隠そうとせず、全て明らかにしてきた。同社のJonathan Schwartz社長は今年3月に、会費制料金プランによって、Solarisの競争力が大幅に向上することが明瞭となり、Red Hatと勝負できるようになるだろう、と語った。またSunはRed Hatがオープンソースプログラマーたちを「ハイジャック」していると批判し、同社ではそのようなことはしない、と語っていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス