デトロイト発--あなたが次に購入するクルマではWindowsが動いているかもしれない。少なくともMicrosoftは本気でそうしたいと考えている。
これは決して冗談ではない。この世界最大のソフトウェアメーカーはいま、エンジンを全開にして、自動車向けのソフトウェアの分野でも最大手の地位に就こうとしている。同社の狙いは、カスタムバージョンのWindows CEで、車載エンターテインメント機器からカーナビまで、あらゆるものをコントロールできるようにすることだ。
Microsoftで、Automotive Business Unitのマーケティングマネジャーを務めるPeter Wengertによると、「Microsoftは、包括的なテレマティックスシステムを提供しようとしている」という。自動車業界では、クルマのネットワーク化をテレマティックスと呼んでいる。
自動車のインテリジェント化は避けて通れない道だが、Microsoftがこの波に乗ろうと大急ぎで取り組みを進めているのには実は訳がある。General Motorsによると、現在自動車の製造コストに占めるソフトウェアと電子機器の割合は、既に3分の1を超えているという。そして、この比率は今後5年間で90%に近づくと、今週IBMのある幹部が明らかにした。
Microsoftは、自動車メーカーへの売り込みを加速しようと、今週デトロイトで開かれている業界カンファレンスに最大級のブースを出展している。このブースに並べられたHummer H2とVolvoにはWindows Automotiveが搭載されており、この2台のクルマに興味津々の来場者が群がっていた。Windows Automotiveは、携帯端末や携帯電話にも使われているWindows CEを基にしたOSで、ライセンス料は3ドル以上「100ドル以下」とされている。
Hummerの車内には、Windowsマシンと、それにつながれたマイクとスピーカーがある。後部座席の下部に隠されたこのハードウェア--通常は300〜400MHzのCPU、32MバイトのRAM、32Mバイトのフラッシュメモリを搭載--には、GPS受信機とBluetooth無線接続機能が付属している。このシステムの狙いとするイメージは、ドライバーがふだん使っているBluetooth付き携帯電話と無線IPSのアカウントでネットに接続できるようにする、というものだ。特に、道路関連情報をオンデマンドで提供できるMSNのサービスを使ってもらえれば、それに越したことはない。
「ふつうは『道順を教えて』と聞くところで、『一番安いガソリンスタンドを教えて』と言うこともできる」とWengert。「そうすると、このシステムは現在地から一番近くて安いガソリンスタンドを探し出す」。
さらに同氏は、カーステレオのスピーカーをスピーカーフォン代わりにして電話をかけるデモも行ったが、生憎と運に恵まれなかったようだ、コンピュータが電話番号を正しく認識するまで、同氏は4回も言い直さなくてはならなかった。
ちなみに、Windows Automotiveはクルマの基底レベルのシステムとはネットワークを共有しないため、ソフトウェアのクラッシュでブレーキが効かなくなる、といったことはないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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