バルセロナ(スペイン)発--Novellは、ソフトウェア開発の未来はオープンソースモデルでもプロプライエタリモデルでもなく、両方の長所を組み合わせたもの--同社が「両方ソース(both source)」と呼ぶものにある、と強く主張している。
NovellのCEO(最高経営責任者)、Jack Messmanは米国時間13日、当地で開催中の同社年次カンファレンス「BrainShare Europe」でユーザーやパートナーを前に講演を行い、オープンソースとプロプライエタリという対立する目標を掲げる2つの世界の間で難しい舵取りを迫られる同社の取り組みについて詳細を語った。
Messmanは、ソフトウェア開発に関して反目する両陣営が、共生的な関係のなかで共存することを学ばなければならないと主張。「将来は『両方ソース』になる--オープンでもプロプライエタリでもない。業界は、オープンソース開発への資金供給に役立てるために、プロプライエタリなソフトウェアからの利益を必要としている」(Messman)
オープンソースはOSを超えて、たとえばデータベースなどのアプリケーション層へ広まっているが、この拡大に必要な資金は、その層の上で動く高度なプロプライエタリのアプリケーションへのニーズによって賄われるだろう、とMessmanは語った。
Messmanが、Novellのプロプライエタリな遺産を正当化する話を終えたすぐ後で、Novell Europeanの社長であるRichard Seibtが登場し、企業は社内ソフトウェア開発への閉鎖的なアプローチを脱して、コスト削減と効率改善のために、オープンソースの開発手法を採り入れるべきだと述べた。
Novellによる買収前にSuSE LinuxのCEOを務めていたSeibtは、オープンソース開発モデルはもはや伝統的なオープンソースコミュニティだけの領域ではなく、今後はメインストリームの企業もこれを受け入れるべきだと語った。
「開発者のマインドセット(考え方)という点では、カルチャーを変える必要がある。オープンソースが根付く必要があり、また企業はこれを採用すべきだとわれわれは考えている。オープンソース開発モデルでは、リスクを削減できるだけではなく、コストも削減できるのだ」(Seibt)
Seibtは、プロプライエタリなアプリケーションを下敷きにして社内開発したアプリケーションをオープンソースにすることには「法的な含み」があるとの可能性を認め、Novellが業界各社とともに、この手の法的なハードルを乗り越えるための取り組みを進めているところだと付け加えた。
Novellは従来、ライバルのMicrosoftと同じようなタイプのプロプライエタリなソフトウェア企業と見なされていた。だが、ここ1年間でオープンソースツールを提供するXimianとSuSE Linuxを続けて買収した同社は、オープンソース哲学とプロプライエタリな過去との間に折り合いをつけようと懸命に取り組んでいる。
「われわれは過渡期にある企業で、いまはこの移行のおよそ半分まできている」(Messman)
Novellはオープンソースソフトとプロプライエタリなソフトとのバランスを取ろうとしている。そのよい例が、ネットワークOSのNetWareとSuSE Linuxのサーバ製品群の連携だ。
同社は、NetWareに対する新規需要が縮小しつつあるなか、オープンソースと名の付くあらゆるものに熱中するあまり、NetWareのプラットフォームを見捨てることはないと、既存のNetWareユーザーを安心させるのに必死になっている。NetWareは、ネットワークOS市場をMicrosoftが独占したことから、ニッチ市場に追いやられた。多くの専門家は、NetWareが再びこのニッチから脱することはないだろうと見ている。
Novellは、NetWareと「SuSE Linux Enterprise Server 9」を含む「Novell Open Enterprise Server」を投入して、このレガシーなネットワークプラットフォームを存続させようとしている。同社はOpen Enterprise Serverの出荷日を明らかにしていないが、11月前半にも同製品をクローズドベータからオープンベータに移行すると13日に明らかにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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