サン、Opteron搭載サーバ/ワークステーションを発表、TCOにも自信

 サン・マイクロシステムズは、AMD Opteronプロセッサを搭載したラックマウント型サーバ「SunFire V40z」と、「Sun Java Workstation W1100z/W2100z」を8月下旬に出荷すると発表した。サンは昨年12月にx86市場強化に向けた戦略提携をAMDと結んでおり、今回の製品はその戦略を具現化したものだ。

 サン 営業統括本部常務取締役本部長の末次朝彦氏によると、同社の戦略は(1)コスト削減と複雑さの排除、(2)ネットワークサービスの迅速な展開、(3)機密性を確保した機動性の実現、の3本に集約されるという。この3つの鍵となるのが、「大量データの高速処理」という問題だ。例えばRFIDのように物品1つ1つを管理し、在庫や売り上げを把握するシステムがビジネスに浸透してくると、限られた時間の中で膨大なデータを処理しなくてはならなくなる。企業側は高性能マシンへの投資が必要になるが、無限にコストをかけられるわけではない。そこで、単体のハードウェアとして高速処理を実現するAMD Opteronプロセッサを搭載した今回の3製品の発表となったわけだ。

サン・マイクロシステムズ 営業統括本部常務取締役本部長の末次朝彦氏

 SunFire V40zは、アプリケーションに応じたOSが選択可能な汎用4プロセッサラックマウント型サーバで、今年2月に発売した「Sun Fire V20z」の上位機種。最大32Gバイトのメモリ搭載が可能で、価格は101万9000円より。「Sun Java Workstation W1100z」はAMD Opteron100シリーズプロセッサを1個搭載できるワークステーション、もう1つの「Sun Java Workstation W2100z」は同じプロセッサを2個搭載できる。どちらも机上に設置できるミニタワー型モデルとなっており、価格はW1100zが26万3000円より、W2100zが62万円より。

 また、同社では本製品によるx86市場強化にあたり、8月1日付けで「x86推進プロジェクト」を発足させた。これはx86ベースのアプリケーション開発支援、移行支援、導入作業を手掛ける人材を集めたプロジェクトで、営業やSE、サービスなど各部門にx86製品の専任者を設置する。これにより、「現在のx86市場を占める32ビット環境から、64ビット環境への移行を積極的に支援する」(デスクトップ&モビリティ・ソリューション本部 執行役員 本部長 植松裕次氏)構えだ。注力する市場としては、高性能なシステムが要求される半導体設計やCAD分野を始め、ネットワーク・サービス・プロバイダ向け設備としても積極的に拡販していくという。

 ちなみにライセンスと3年間のサポート料を踏まえ、SolarisとLinuxとでTCOを比較してみると、「24時間365日対応の場合、合計するとSolarisを導入した方が74%もコスト削減効果が出る」(末次氏)という。「『Linuxは無償のオープンソースだからコスト削減効果が見込める』という評価が定着しているが、バージョンアップやサポートを考えると、決して“無償”というわけではない。この点を企業の経営者、システム部担当者の方に認識していただきたい」(同)と述べた。

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