Advanced Micro Devices(AMD)が、MicrosoftのWindows XP SP2で提供される新機能にいち早く対応したことで、セキュリティ面に関してIntelを一歩リードしたと主張している。
AMDは米国時間9日、「Enhanced Virus Protection(EVP)」という機能を発表した。これは、Windows XPのアップデートとなるService Pack 2(SP2)と連動して、データ破壊やメールサーバの機能停止につながるウイルスやワームへの感染を防止するもの。
Microsoftでは、先週末にWindows XP SP2をPCメーカー向けにリリースしており、今月中に一般ユーザーもダウンロードできるようにしたいと考えている。EVPは、SP2と合わせて利用することで、「バッファオーバーフロー」と呼ばれる攻撃方法を封じ込めるよう設計されている。なおこの攻撃は、コンピュータに大量のデータを送りつけて防御システムを麻痺させ、悪質なプログラムをメモリ内に忍び込ませるというもので、挿入されたプログラムは後にプロセッサによって実行されてしまう。
AMDでは、2003年9月に発売したチップ類を設計する際、EVPをチップに組み込んだことで、Intelに先んじてWindowsの新機能を利用できる状態にあった。Intelも、今年中には自社のチップに同様の機能を追加する見通しだが、これらのチップが市場に浸透するまでにはしばらく時間がかかるだろう。AMD64プロセッサ搭載システムは約1年前から出荷されているが、これらのシステムでもMicrosoftのSP2をインストールすれば、EVPが利用できるようになる。
AMDは9日、デスクトップ向けのAthlon 64やAthlon 64 FXといったAMD64プロセッサ、ノートPC向けのモバイルAthlon 64、Athlon 64をベースにした低価格モデル「Sempron」のモバイル・バージョンなどにEVPが搭載されることを明らかにした。
サーバ向けのOpteronプロセッサにもEVPは搭載されるが、MicrosoftのWindows Server 2003 Service Pack 1やWindows Server 2003 for 64-bit Extended Systemsが市場に登場するまで、同機能を利用することはできない。
AMDによると、EVP機能によって電子メールの受信やインターネットからのファイルダウンロードといった日常作業におけるセキュリティが大幅に強化されるという。Athlon 64プロセッサは、主として消費者向けや中小企業向けのノートPCやデスクトップで採用されており、米国市場ではAcerやHewlett-Packard(HP)、eMachinesといったメーカーから出された同チップを搭載したマシンが販売されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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