Advanced Micro Devices(AMD)は、プロセッサの設計を通じたコンピュータのセキュリティ対策を推進しようとしている。
同社は米国時間25日、自社のAthlon 64およびOpteronの両プロセッサに、特定のコンピュータウイルスやワームへの対策に役立つ機能を搭載したと発表した。MicrosoftのWindows XPオペレーティングシステムと連動するこの機能は、Microsoftが今年中にリリースする、同OSのService Pack 2アップデートで初めて有効になる。
AMDは今週さらに、セキュリティエンジンを内蔵したネットワーク関連機器向けのプロセッサ「Alchemy Au1550」についても発表を行った。
企業や一般ユーザーがセキュリティに対する認識を高め、これを重視し始めるなかで、AMD、Intel、Transmeta、Via Technologiesなどのチップメーカーは、自社の製品や関連ハードウェアのセキュリティ機能強化に取り組み始めている。AMDとMicrosoftが提供するセキュリティ機能は、より安全に電子メールのやり取りやウェブの閲覧が行えるよう設計されている。また、Alchemy Au1550は、VPNなどのネットワークセキュリティを強化するとAMD は説明している。
AMDのAthlon 64やOpteronのセキュリティ機能は、Windows XP Service Pack 2のData Execution Prevention機能と連動し、バッファオーバーランを悪用した攻撃を防ぐものとなる。コンピュータを攻撃する際によく利用される、バッファオーバーランもしくはオーバーフローとは、コンピュータのメモリ容量を超えるデータを入力してプログラムを暴走させ、悪意のあるプログラムをメモリに紛れ込ませるというもの。メモリに紛れ込んだプログラムは、その後プロセッサに実行される。
実際、昨年出現して大きな被害をもたらしたワームのなかには、バッファオーバーフローに依存するものがいくつかあった。このセキュリティ機能を1月に公表した際、AMDとMicrosoftは、この技術が存在していれば、Microsoftが過去2年間にリリースしたWindowsのセキュリティアップデートの約50%は不要だったかもしれないとの分析結果を示していた。
Athlon 64およびOpteronはPCやサーバ向けに現在出荷中で、またMicrosoftはWindows XP Service Pack 2を第2四半期中に出荷する予定。今週開催されているRSA Conference 2004でMicrosoftが明らかにしたところによると、同社はこのほかにも、ファイアウォールの機能拡張やInternet Explorerのポップアップ広告ブロッカーといったセキュリティ強化を行うという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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