オリエント測器コンピュータ(伊藤智章社長)は、HDDに穴を開け、物理的に破壊することでデータの漏えいを防ぐ製品「ハードディスク物理クラッシャー」を法人向けに販売開始した。価格は45万円(税別)。
新製品は、2.5インチと3.5インチHDDに対応したハードディスク破壊装置。これまで同社では、磁気によるHDD消去装置「ハードディスク・クラッシャー」を販売してきたが、HDDの外観に変化がないため、ユーザーから心配の声があがっていた。
営業本部 中嶋伸明本部長は、「米国でも磁気によるデータ消去が完全なデータ消去になるとしているが、実際にデータを完全消去しても不安がる顧客も多かった。そこで、実際に磁気によるデータ消去を行ったうえで、さらに物理的に破壊する装置を発売することにした」と製品の位置付けを説明する。
ただし、単にHDDに穴を開けるならどこの会社でもできる。新製品は、内部と外部カメラを装着しており、実際のHDDを押しつぶす様子を内部カメラで、処理者の顔写真を外部カメラで映像としてパソコンに保存できるようにしたのが特徴。
さらに、証明書を作成するためのソフトを同梱しており、「所定フォームにHDDのメーカー名、型名、シリアルナンバーおよび実施日時などを入力しておくことで、顔写真とHDD写真がついた破壊証明書をプリントアウトできるようになっている」(中嶋部長)と話す。
このほかの特徴は、(1)コンパクト設計で持ち運びが可能、(2)取り付け治具採用によって、HDDの位置を固定、(3)HDDをきちんと設置し、扉を閉めた状態にしなければ稼動しない安全設計――など。
なお、9月初旬には、「ハードディスク物理クラッシャー」本体とカメラ、ソフトウェアのセット(税別50万円)を発売する予定。製品仕様が異なるため、本体のみの購入後、カメラの追加は行えない。
このほか、同様の機能をもつ携帯電話専用のモデル2機種も9月末に発売する(価格は未定)。携帯電話に穴を開けることで、住所やメールアドレス、通話履歴を破壊できる。同社では、携帯電話キャリア各社や、ショップを統括する 店舗をターゲットに販売する予定。
あわせて、HDD単位ではなく、不要となったファイルやデータを完全消去できるハードディスク消去ソフト「Black hole X」を販売する。個人向けには、同社サイトでダウンロード販売を行い、価格は、Windows版が1800円(税別)、Machintosh版が6000円(同)となっている。法人向けには、コンピュータウェーブが販売する。
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