日本ヒューレット・パッカードは6月3日、新製品のブレード型サーバとなるHP ProLiant BL30pを発表すると同時に、同社のブレードサーバの価格を改定した。現在日本HPのブレードサーバ市場における台数ベースのシェアは約20%強で、IBM、NECに次いで3位。1年以内には台数シェアを30%まで伸ばし、1位となることを目標とする。
ブレードサーバは、スペースや消費電力の節約ができるうえに管理性も高いため、導入メリットは大きいが、ラックマウントサーバと比べると価格は割高で、普及率はまだサーバ市場全体の10%以下だという。日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部 本部長の上原宏氏は、「テレビやコンピュータなどでもそうだったが、普及率が16%を越えると普及が一気に加速するとされている。HPでは、普及加速のカーブを促進させるべく、ブレードサーバビジネスに注力する」と述べ、同社がブレードサーバ事業で業界リーダーをねらう決意を示した。
日本HPエンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部本部長の上原宏氏 |
ブレードサーバを市場に普及させるために、日本HPでは導入のネックとなっていた価格を大幅に改定した。サーバ本体の価格を最大約16%、ブレードエンクロージャは最大約50%値下げする。同社エンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部プロダクトマーケティング部部長の正田三四郎氏は、6月1日現在の価格を他社製品と比較して説明した。同氏によると、ブレード(Xeon 3.06GHz×1CPU、36GB HDD×2、512MBメモリ×1)14枚に、SAN接続装置、レイヤー2スイッチを含めた価格は、A社の場合ブレード14枚が958万1600円、エンクロージャと電源が679万円で、合計1637万1600円。一方HPのProLiantブレードサーバの場合は、ブレード14枚の価格が800万8000円、エンクロージャと電源の価格が227万円で、合計1027万円となり、HPのブレード製品が非常に競争力のある価格となることをアピールした。
さらにHPでは、ブレードサーバの普及促進を目指す専門チームとなる「ブレード・クロス・ファンクショナル・チーム」を設立した。同チームは、営業、サービス、SCM、マーケティング部門で構成され、新製品の提供からソリューションやサービスの提供まで、ブレード事業を強化するための施策を展開する。20名でスタートした同チームは、ブレードの販売規模の拡大に合わせて人数を増加させる予定だという。
HPをはじめとするサーバベンダーがブレードサーバに注力するのにはわけがある。ブレード型のサーバは、ラックマウント型サーバと比べると、サーバを追加する際に他社メーカー製品との混在が困難であるため、ある低度顧客を囲い込むことが可能となるからだ。そこでHPでは、価格を「普及価格」にまで改定し、本格的なブレードサーバ普及期に向けて市場トップとなることをねらっている。
サーバ市場全体における日本HPの国内シェアは、2003年第4四半期の台数ベースで5位、金額ベースで3位という位置から、2004年度第1四半期では台数ベースで3位、金額ベースで2位にまで向上したという。
新製品ProLiant BL30pは、ブレードあたりIntel Xeonを最大2基搭載、42Uラックに最大192CPUを搭載することができ、Xeon搭載のブレードサーバとしては搭載密度が最大級だという。ProLiant BL30pは、6月24日から販売される。価格は未定だが、「構成によって30万円前半から70万円前半になるだろう」(正田氏)としている。今後同社は、AMDのOpteron搭載ブレードサーバや、Xeonの64ビット対応版となるNocona搭載のブレードサーバも市場投入する予定だ。
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