先ごろSun Microsystemsのナンバー2に昇格したJonathan Schwartzは、自らが率いていたソフトウェアグループで導入した異例の価格体系を、同社の他の部門にも広げようとしている。
4月にSunの最高業務執行責任者(COO)に昇格したSchwartzは、それまで責任者を務めていたソフトウェアグループで新しい価格体系を導入し、従業員数に応じた使用料を支払うことで、企業がSunのサーバおよびデスクトップ用ソフトウェアを好きなだけ利用できるようにした。Sunは6月1日(現地時間)に、上海で四半期に1度のイベントを開催し、数多くの発表を行う予定だが、このなかで同社はストレージおよびサービスでも同様の型破りな料金設定を導入することを明らかにする。
同社はまず、顧客が「StorEdge 9980」という最上位システムを利用できるサービスを販売していく。このシステムはSunが所有するもので、運用も同社が行う。料金設定は、1Gバイトあたり月間1.95ドルで、利用するには最低3年間の契約を交わす必要がある。ユーティリティコンピューティングを例にとったこのシステムの価格体系には、ストレージ管理ソフトとサポートサービス分の料金が含まれる。そして、さらに充実した管理を望む場合には1.5ドル、また保存したデータをミラーリングしたい場合には2ドルの単価を支払うことにより、それぞれのオプションを利用できる。
Sunはまた、顧客企業のデータセンターを確実に稼動させるためのサービスを100種類以上も用意し、そのなかから顧客ごとに最適なサービスを組み合わせて提供する。ただし、このサービスにはひねりの効いた価格体系が設定されており、Sunが継続的にデータセンターの状態を監査して問題が少なければ少ないほど、料金が割り引かれるという形をとる。
この動きは、Sunが1990年代後半に持っていた力を回復させることを試みるなかで打ち出されたものだ。当時、同社のサーバに対してプレミアム料金を支払うことを顧客は厭わなかった。だが、そうした栄光の日々は過ぎ去り、Sunはそれ以後3度にわたって大規模なレイオフを実施してきた。それでも業績は回復せず、全体としては成長を再開したサーバ市場のなかで、同社は相変わらずシェアを落とし続けている。
現在Sunは事業の再構築を進めている。長い間続けていたMicrosoftとの戦いを(少なくとも一部は)取りやめた。相変わらず独自のUltraSparcプロセッサを搭載したサーバの販売を推進してはいるものの、いまではAMDやIntel製のx86チップを積んだモデルも販売している。そして、一時的に大きな売上を得るよりむしろ、製品とサービスを組み合わせて提供することで、顧客から利用料金をとり継続的に利益を上げることを狙っている。
こうした変化は、これまでハイエンド向けの機器で収益をあげてきたSunが、IntelプロセッサやLinux OSのような「十分使い物になる」技術が支配する世界に適応するために考えられたものだ。
「コンピューティングインフラに対する需要がなくなることはない・・・世界で最大の企業はどれも、普遍的かつ永続的なコモディティに対する需要を満たす会社だ」(Schwartz)
Sunは同日、上海でのイベントで、Java Desktop Systemの2番めとなるバージョンも発表する。このバージョンにはLinux OSとパーソナルコンピュータ向けの高度なソフトウェアが組み込まれている。
Sunはさらに、同社のJava Enterprise Systemというサーバソフトを、人頭ベースの料金体系で提供しようとしている。同社はこれに関して、以前に明らかにしたアイデアを捨ててはいないが、その後料金体系に変更を加え、各国の人口とともに、国連による経済発展の3段階の区分のどれに属しているかを加味して、料金を定めるようにした。この料金体系では、人口が多く、未発展な国ほど、1国民あたりの利用料は安くなる。
「たとえば、自動車免許の交付やヘルスケア、漁業権の認可など、各国の政府には、巨大な市場にサービスを提供する傾向がある」(Schwartz)
Sunのこの価格体系に従った場合、メキシコ(人口が1億人で、発展段階は中程度)では、国民1人あたり年間81セントのの料金で、Java Enterprize Systemを利用できることになる。発展の程度がもっとも低い国々では1人あたり33〜75セント、中程度の国々では同じく33セントから1.95ドルの利用料になると、同社広報担当のRuss Castronovoは説明している。
この他に、以下の発表が行われる予定だ:
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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