IBMは、アプリケーション開発者を集めるために、インターネット経由で高性能なグリッドコンピューティングサーバを利用できるようにする。
同社は27日(米国時間)、ソフトウェアメーカーらが同社所有のサーバを利用して、新しいアプリケーションを開発したり既存のアプリケーションをテストできるようにすることを明らかにした。開発者らがこのサービスを受けるためには、まずIBM Partner Worldプログラムという独立系ソフトウェアメーカー向けの無料サービスに登録する必要がある、とIBMの開発者関係プログラム担当バイスプレジデントのScott Hebnerは述べている。
IBMは、このプログラムによって、同社のハードウェア上で利用できるビジネスアプリケーションの数が増えることでハードウェアの人気が高まり、それが売上の向上に結びつくことを期待している、とHebnerは語った。IBMは、サーバハードウェア市場でSun MicrosystemsやHewlett-Packard(HP)と競合しており、ソフトウェア市場ではMicrosoftやSunなどの企業と争っている。
IBMのこのプログラムは、同社のグリッド技術とオンデマンド構想の魅力をアピールする場となるだろう。グリッドコンピューティングとは、複数のコンピュータやストレージ機器などの能力を1つにまとめ、企業が必要に応じてリソースを利用できるようにして、作業負荷やコンピュータシステムの管理を効率よく行えるようにする技術のこと。
IBMはこのプログラムについて、中小企業向けのアプリケーション開発を行うソフトウェアメーカーをターゲットにしたものと述べている。開発者らは、IBMのVirtual Loaner Programにログオンし、同社のサーバを最大14日間利用する予定を組める。このプロセスは2時間たらずで完了し、また開発者らは必要に応じてキャパシティを拡大することができるという。
IBMは中小企業顧客をターゲットとするソフトウェアの開発者を集めるのに5億ドルの投資を行なっており、この新プログラムもその投資の一環だ。小規模な企業の間では、IBMやMicrosoft、SAP、Oracleなどの製品の需要が大きく伸びている。大企業は最近ようやくIT予算を増額し始めたものの、予算の使途については以前よりも慎重に決定を行なっている、とアナリストらは述べている。
IBMは、他の競合企業とは異なり、自社製のビジネスアプリケーションは販売しておらず、他のビジネスアプリケーション開発会社と提携を結ぶ形をとっている。「われわれは、ストレージやハードウェア、ソフトウェア、そしてそれを取り巻くサービスに専念することにした」(Hebner)
このプログラムでは、pSeriesサーバをつなぎ合わせたグリッド上で、Virtualization Engine、WebSphere、Tivoliの各ソフトウェアを動かす、とIBMは説明してる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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