まだ準備中のオペレーティングシステム(OS)のことは、とりあえず忘れて欲しい。
発売が延期された次期Windows「Longhorn」への期待が高まる中、Microsoftは今週開催される「TechEd」カンファレンスでは、現行バージョンのWindowsの話題に専念すると見られている。
米国時間24日から28日までサンディエゴで開催されるTechEdには、開発者やIT管理者、現場の技術職ら合わせて約1万1000人が参加する。これらの参加者は、現在Microsoftが彼らに対して何ができるかを聞きたがっている人々だ。
「TechEdに参加する人々は、現行製品の扱い方や、今後の製品を知りたいと思ってやって来る。TechEdは本質的に、翌年手に入る製品に関して人々をわくわくさせるためのイベントだ」とリサーチ会社Directions on Microsoftのアナリスト、Rob Helmは述べている。
これはつまり、今回のTechEdでは、現行のWindows XPオペレーティングシステムと、まもなくリリースされるService Pack 2(SP2)に主眼がおかれるということだ。セキュリティ機能などが強化されたSP2アップデートは、Windows XPの大型アップグレードに相当するもので、MicrosoftにとってはXPへの移行に消極的な企業に対処する最良のツールとなるはずだと、Jupiter ResearchアナリストのMichael Gartenbergは述べている。
「XPの採用率を高めることが、Microsoftにとって短期的な優先事項の1つだ。この点に関して、SP2は大きな助けとなるだろう」とGartenbergは述べ、「単なるサービスパックというより、中間リリースに近いと言っていいものになるかもしれない」と付け加えた。
またTechEdでは、Microsoftの電子メールサーバソフトウェアExchangeの新情報も発表される可能性が高い。Helmの考えでは、少なくともExchange Edge Servicesの詳細は明らかにされるはずだという。Exchange Edge Servicesは、スパムフィルタやウイルス検知ツールなど、より多くのサービスとExchangeを接続するアドオンとして、計画されているもの。
「TechEdに関して、私が最も気になっているのは、Exchangeがどの方向に進もうとしているかだ。Exchangeは、核となる市場でLotus(IBMの電子メールサーバ)を追い上げるほど優れた技術だ。しかし、スパムフィルタなどさまざまな電子メール処理機能を持つ、Linuxのようなライバルもまだ存在する」
TechEdではこの他にも、OracleやSAPと最近結んだ契約を踏まえた、多数の提携発表も行われることになりそうだ。他方面ではMicrosoftと競合しているソフトウェアメーカーの間でも、Microsoftと和解して、同社の.Net開発環境を採用する動きが広まっている、とHelmは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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