サン・マイクロシステムズは18日、LinuxやMozillaなどのオープンソースソフトウェアをベースとした統合デスクトップ環境Sun Java Desktop Systemの販売を同日開始し、6月2日より出荷すると発表した。これは「マイクロソフトのOffice製品とも互換性があり、Windowsの代替デスクトップ環境として最適なものだ」(サン・マイクロシステムズ代表取締役社長 ダン・ミラー氏)という。
先月マイクロソフトとのアライアンスを発表したばかりのサンだが、ミラー氏は「このアライアンスは、マイクロソフトと協力して製品間のインターオペラビリティを実現させるためのもの。しかし、競合する製品を出さないという意味ではない」という。Java Desktop SystemはWindowsと競合することになるが、「マイクロソフト製品との完全な互換性は、同社とのアライアンスがあったからこそ実現できたことだ」と同氏は述べる。
サン・マイクロシステムズ代表取締役社長 ダン・ミラー氏 |
Java Desktop Systemは、SUSE Linux Enterprise DesktopをベースとしたLinux OS、GNOMEデスクトップ環境、StarSuite統合オフィスツール、Mozillaブラウザ、Evolutionメール/カレンダークライアント、Java 2 Platform Standard Editionで構成される。日本語環境として、かな漢字変換のATOK X for Linuxおよびリコーフォント2書体(ゴシック、明朝)が、またNEC、エプソン、沖データ、ゼロックス各社プリンターの日本語対応ドライバが標準搭載されている。
ミラー氏は、現状のデスクトップシステムの課題として、ライセンスおよび運用コストが高価であること、管理が複雑でインターオペラビリティに欠けていること、セキュリティを守らなくてはならない点をあげる。「Java Desktop Systemは、これらの課題を解決できる」というのが同社の主張だ。
Java Desktop Systemの優位性
ライセンス料は、企業向けライセンスが従業員1人につき年間5500円、またはデスクトップ1台につき年間1万1000円、教育機関向けライセンスがデスクトップ1台につき年間2700円で、「既存のデスクトップシステムと比較すると、非常に魅力的な価格」と、同社常務取締役営業統括本部長の末次朝彦氏はアピールする。企業向けライセンスの早期導入プロモーションとして6カ月間は、従業員1人につき年間2700円、デスクトップ1台につき年間5500円という価格も用意されている。
末次氏は、デスクトップ500台を5年間運用すると想定した場合のWindowsとJava Desktop SystemのTCO(総所有コスト)を試算し、管理費用やソフトウェア価格、ヘルプデスクなどを考慮した場合、1.6億円ものコスト削減が可能だという試算表を提示した(同社調べ。Java Desktop Systemの場合、管理者数が約3分の1、ヘルプデスクのコール数が25%削減などの条件下での試算によるもの)。
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