Novellが、Monoプロジェクトで開発を進めていたツール類のテストバージョンをリリースした。このプロジェクトは、Microsoftの.NET FrameworkをLinuxおよびUnix上で再現することを目指したオープンソースの取り組みだ。
Novellは昨年、オープンソースソフトメーカーのXimianを買収し、Monoプロジェクトを引き継いだ。このプロジェクトは、プログラマのMiguel de Icazaが2001年に始めたもので、現在もXimianの支援を受けながら活動している。
Monoプロジェクトの目標は、.NETプログラマがWindows、Linux、UnixのどのOS上でも動作するアプリケーションを構築できるようにすることだ。.NET Frameworkを開発したMicrosoftは、Windows OS用の.NETコードしか提供していない。しかし、多くの企業ではWindowsやLinux、Unixのシステムを併用しているため、単一のプログラミングモデルで複数のOSに対応できるのは重要なことだ。
Microsoftの.NET用開発ソフトには、プログラミングツールと、.NET Frameworkが含まれている。.NET Frameworkは、Windowsマシンにインストールされた、.NETアプリケーションの実行時に必要な基本ソフトウェア部品群を指す。Monoプロジェクトでは、.NETの公開仕様を利用して、LinuxやUnix向けの環境を再現している。
MonoプロジェクトはMicrosoftの活動と密接にリンクしていることから、NovellがXimianを買収して以来、同社のMonoプロジェクトに関する計画は大きな注目を集めている。Monoのテストバージョンの公開は、当初2003年末に予定されていたが、昨年の秋に延期が発表されていた。
Novellが発表したスケジュールによると、Monoテストバージョンの第2版は6月始めにリリースされ、完成版は6月末にリリースされるという。
このテストバージョンは、Ximianのウェブサイトからダウンロードできる。
Monoには、.NET FrameworkのCommon Language Infrastructure という仮想マシンと、.NETでサポートされる全プログラム言語で利用できるクラスライブラリ、そしてMicrosoftのプログラム言語C#用のコンパイラが含まれる。
Novellによると、今後Monoでは、LinuxやUnixの.NETアプリーケーション向けに、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を構築するための開発者ツールを提供する予定だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」