カリフォルニア州サンディエゴ発--一般のコンピュータユーザーにとってのLinuxは、男性にとっての結婚と似ている。試してみたい気はするものの、いざとなるとなかなか腰が上がらない・・・。
テキサス州オースティンのソフトウェアメーカーNeTraverseでは、そんな一般ユーザー向けに、Linux PC上で手軽にWindowsやWindowsベースのアプリケーションを実行できる製品を提供している。
当地で開催中のDesktop Linux Summitに出展するNeTraverseの最高経営責任者(CEO)James Curtinは、自社製品の「Win4Lin」について、企業がWindowsからLinuxへの移行を進める際の橋渡し役を務めるものと説明している。
WindowsからLinuxにOSを移行する際、なかにはどうしても替えがきかないアプリケーションが出てきてしまうことがよくあると同氏はいう。「この2割のソフトウェアが、Linuxを採用する際に発生する問題の8割を占める」(Curtin)
Win4Linを使えば、WindowsがLinuxのアプリケーションとして動くようになることから、少なくとも一時しのぎに手段にはなり得る。先ごろストレージ大手のEMCが買収したVMWareの製品のような、一般的な「エミュレータ」プログラムとは異なり、Win4LinはLinuxと同じ共有メモリを使い、WindowsをLinuxアプリケーションの1つとして実行する。
Win4Linには2つのバージョンがあり、1つは標準的なデスクトップ向けで、もう1つはサーバ向けだ。後者は、Windowsや関連アプリケーションを中央のサーバ上で動かし、企業の従業員が必要に応じて利用できるようにするものだ。
サーバ版のほうは、管理が簡単な点以外にも、いくつかの利点がある。たとえば、特定の社員がオープンソースの代替アプリケーションを十分に使いこなせるようになったと判断すれば、管理者が適宜Windowアプリケーションへのアクセスを止めるといったことができる。
Windowsアプリケーションのうち、オープンソースで簡単に代用がきかないものとしては、Microsoftのチャート作成アプリケーションVisioやプロジェクト管理パッケージのProjectなどがあるとCurtin。一方、個人ユーザーはIntuitのQuickenやQuickBooksなどの家計簿ソフトがなかなか手放せないという。
Curtinはまた、Windowsの古いバージョン向けに開発したカスタムアプリケーションを抱えている顧客が多いとも指摘した。これらのカスタムアプリケーションをWindows XP用に書き直す作業は、Linux用に書き換えるのと同じくらい複雑なことから、この場合にはLinuxへ移行する方がコスト的に有利である。Win4Linは、OSをLinuxに移行中のユーザーにとって、セーフティネットの役目を果たす。「現在われわれは医療関係の多くの企業と取引しているが、こうした企業には以前開発したWindows98用アプリケーションをたくさんあり、しかも、今となってはだいぶガタがきている」(Curtin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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