マイクロソフト、ついにオープンソースに--CPLでソースコードを初公開

Matt Hines (CNET News.com)2004年04月07日 08時44分

 Microsoftは米国時間5日夜、SourceForgeというオープンソースソフトウェア開発サイトで、同社のある製品のソースコードを公開した。これまで自社技術のベースとなるコンポーネントを一般に公開することには強硬に反対していた同社にとって、今回の動きは大きな方針変換となる。

 Microsoftが公開したのは、Windows Installer XML(WiX)のソースコードだ。これは、同社のWindows製品用のインストールパッケージを、XMLソースコードでつくるためのツールを集めたもの。SourceForgeサイトに掲載された情報によると、Microsoftが公開した実際のコードでは、ソフトウェア開発者がWindowsセットアップパッケージ開発に利用できる環境がサポートされているという。SourceForgeは、さまざまなオープンソース・コラボレーションプロジェクトがリソースの提供に利用しているウェブサイト。

 Microsoftはこのコードを、Open Source InitiativeのCommon Public License(CPL)のもとで公開した。Common Public Licenseでは、アプリケーションやソースコードは自由に利用・変更できるが、ただし変更を加えたコードも同じ条件で配布されるという条件がつく。オープンソースムーブメントの思想の典型ともいえるCPLは、一般の人々がソフトウェアを自由に利用・改善・共有することを可能にするものだ。

 CPLはGNU General Public License(GNU GPL:一般公衆利用許諾契約書)よりもやや柔軟だと考えられている。Microsoft会長のBill Gatesは以前、GPLはプロプライエタリなソフトウェア開発とは調和しないとして、これに批判を加えたことがある。

 Microsoftは今まで、こうしたソースコードの一般公開を完全に避けてきたわけではない。同社はこれまで、Shared Source Licenseと呼ぶライセンス形式で、さまざまなソースコードを提供してきた。しかしMicrosoftが純粋なオープンソースでのソースコード公開を試みたのは、今回のWiXが初めてとなる。同社は今年、複数の製品のソースコードをShared Source Initiativeで公開することを検討中だと述べていた。この取り組みは約3年前から実施されている。

 MicrosoftはWindowsのさまざまなバージョンのソースコードを必死で守っており、これを公開しないという契約に署名した大学や政府機関にしか提供していない。これまでにコンパイル済みのWindowsがネット上に流出したことは何度かあったが、実際のソースコードが漏れ出たことは滅多になかった。

 同社はプロプライエタリなコードを一般に公開することにいくつかの懸念を抱いているが、そのひとつは自社製品でのセキュリティ侵害の可能性が増すことだ。セキュリティの問題はすでに同社の頭痛のタネとなっている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。

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