IBMは、Powerプロセッサに関するロードマップの発表を計画している。同社では一般に対しては、こうした発表をしばらく行っていなかった。
PowerPCやPowerサーバ用プロセッサを扱う同社のチップグループは、マンハッタンにあるWという高級ホテルで3月31日にイベントを開き、これらのチップの説明を行う予定だ。
IBMの幹部らは、Powerプロセッサファミリーに関する話題を広めるべく、さまざまプロセッサと、おそらくは同社でのチップ製造の取り組みに関して話をすると見られている。
このイベントでは、Power 5やCellプロセッサなど、近々登場予定のチップが話題に上りそうだと、アナリストは述べている。CellはIBM、ソニー、東芝の3者が共同で開発に取り組むプロセッサアーキテクチャだ。また、IBMの既存のPowerPCプロセッサに関する新たな情報もいくつか明らかになるかもしれない。
同社はPowerPC 970のような個々のチップmについては、定期的に発表を行っている。だが、MotorolaやIntelなどの競合他社では、IBMと比べるとかなり多くの時間を割いて、自社のチップについてのマーケティングを行っている。両社とも、例えば開発者向けのフォーラムを定期的に開催しているが、それぞれがこうしたイベントを利用して、自社のプロセッサに関する情報を業界やメディアに広めている。
IBMは最近、新型プロセッサの発売、チップ委託生産事業の設立、マイクロエレクトロニクス部門とサーバ部門との統合による新しいシステム・技術部門の発足など、チップ事業に関して数多くの変更を行った。アナリストによると、これはPowerチップファミリーの認知度向上を目指す戦略の一環かもしれないという。
「IBMはこのイベントで、Power 5からCellまで、さまざまなチップのロードマップを発表することになると思う」と、The Envisioneering GroupのRichard Dohertyというアナリストは述べている。
ゲームなどへの対応
Power5プロセッサは、同社の次世代ハイエンドサーバ用チップで、一方Cellチップはビデオゲーム用途も念頭に置いて開発が進められているものだ。同社はさらに、PowerPC 400、PowerPC 700、PowerPC 900という3つの主要なPowerPCファミリーも販売している。
これら3つのチップファミリーは、ゲーム機からサーバやネットワーク関連機器まで、膨大な種類のデバイスに採用されている。
たとえば、任天堂ではPowerPCをカスタマイズしたプロセッサを、ゲームキューブに採用している。また、Apple ComputerはPowerPC 970をMacintoshの各種デスクトップ機やXserveサーバに採用している。Appleは、PowerPCチップの最新バージョンであるPower PC 970FX/2GHzをXserve G5に搭載している。
IBMはまた、ビデオゲーム関連の取り組みについても説明を行う可能性がある。
IBMはゲーム機市場でユニークな立場にある。同社はMicrosoft、任天堂、そしてソニーという世界の3大ゲーム機メーカーと、それぞれプロセッサの供給契約を結んでいる。最も最近では、Microsoftとの間で次期Xbox向けにPowerPCチップの供給契約を結んだ。またCellチップ開発のジョイントベンチャーでは、同社はソニーや東芝と2001年初頭から協力を進めてきている。
しかし、Cellが採用されるのはビデオゲームだけではない。IBMとソニーでは、これをハンドヘルド機やホームネットワーク関連機器などの幅広いデバイスに応用する意向も示唆している。
IBMはまたこのイベントを利用して、競合他社に牽制を加えることになるかもしれない。同社はPower 4およびPower 5チップについての見通しを述べ、たとえばこれらのチップがIntelのItaniumのような製品とどういう関係にあるのかを説明することになるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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