Adobe Systemsが、同社のポータブル文書フォーマット(PDF)ベースのフォームにバーコードを加える新機能を追加し、同社の電子フォームの機能を拡大する。
8日(米国時間)に発表されるこの新技術によって、最終的に印刷することを目的としたフォームのさらに高速な処理が可能となる。早くも米内国税歳入局(IRS)などがこの技術の導入を表明しており、IRSは今年PDFベースのいくつかの納税申告書に試験的にバーコードを追加する。
現在、文書を電子的に交換する際によく利用されているPDFの機能を拡張し、企業データを交換するための柔軟なコンテナにしたいと考えているAdobeにとって、電子フォームは1つの重要な戦略上の焦点となっている。
Adobe の新製品と、MicrosoftのInfoPathといった競合する純粋な電子フォーム製品との大きな違いの1つは、PDFがデジタル文書と印刷物のどちらにも対応可能な点だ。
PDFフォームに追加される可能性のあるインタラクティブ機能はますます増えており、今回の新しいバーコード機能もそれらのインタラクティブ機能がベースとなっている。Adobeのentrepreneur-in-residenceで、この新機能の開発者であるDan Baumによると、フォームの設計者は、Adobe DesignerまたはAcrobat Professional向けに予定されているプラグインを使って、文書にバーコードを追加することが可能という。
PDFフォームを受け取ったユーザーは、自らのPC上で無料のAdobe Readerを使って必要事項を書き込む。Adobe Readerにはバーコードプラグインが追加される予定で、PDFフォームにはバーコード用のスペースが設けられ、必要事項が入力されるとバーコードが自動的に追加される仕組みだ。1つのバーコードで最大2000文字のデータを表すことができる。
全てが完了したら、フォームは印刷される。Baumによると、同フォームを受け取った人は、スキャニング装置またはファックスを使ってバーコードを読み取り、その結果をAdobeが開発した暗号解読ソフトを搭載したサーバに送信するという。データはその後、サーバから企業データベースまたは他のバックエンドシステムに送られる。
Adobe ReaderとAdobe Acrobat Reader用のプラグイン、および暗号解読用サーバは全て、2004年下半期に配布される予定。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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