SCO Groupは、UnixとLinuxオペレーティングシステムをめぐって続ける法的戦いの中で、自動車部品の小売チェーンであるAutoZoneと、自動車メーカーのDaimlerChryslerの2社に照準を合わせている。
同社は米国時間3月3日に公表した声明の中で、AutoZoneは「SCOの保有するUnix System Vのコード、ストラクチャ、シーケンス、構造を含むLinuxオペレーティングシステムの複数のバージョンを運用し、SCOが保有するUnixの著作権を侵害した」と主張している。
同社広報担当のBlake Stowellは3日、SCOがDaimlerChryslerも提訴したと語った。DaimlerChryslerがSCOと交わしたUnixソフトウェアに関する契約に違反した疑いがあるとして、SCOはミシガン州オークランド郡巡回裁判所でこの提訴を行ったという。
ドイツのシュトゥットガルトに本社を置き、米国本社をミシガン州アーバーンヒルズに置くDaimlerChryslerからコメントを得ることはできていない。
一方AutoZoneの関係者は、「訴状を読んでいないのでコメントできない。我々の理解では、SCOは数百社の企業に書簡を送付して容疑の申し立てを行っているようだ」と語っている。テネシー州メンフィスに本社を置くAutoZoneは全米で約3000店舗を展開している。
今回の件には関与していないが、知的所有権を専門にする弁護士のMark Radcliffeによると、Linuxを利用する企業を提訴することはSCOにとって戦略的に理にかなっているという。
「SCOにはユーザー企業を提訴し始める必要があった。弁護費用を一番払いたくないと考えているのはユーザー企業だからだ。SCOから訴えられたユーザー企業は、“頼むから助けてくれ”と(各々にLinuxを提供した)ディストリビューターに泣きつくことになる。これで、IBMには顧客保護に向けた補償の用意を迫る圧力が高まるだろう」(Radcliffe)
SCOの最高経営責任者(CEO)、Darl McBrideは自社の訴訟をRIAA(全米レコード協会)が起したファイル交換者に対する訴訟にたとえ、「エンドユーザーは、RIAAが彼らに対する一連の訴訟を起こして初めて、事の重大さを完全に理解した」と語っている。
McBrideは、RIAAの訴訟はファイル交換ネットワークの利用を減少させたと語り、「今回の訴訟でも、大方は同じような傾向を目にすることになる。そして、企業各社もSCOに知的財産の使用料を支払い始めるだろう」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向け に編集したものです。
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