Hewlett-Packard(HP)は24日(米国時間)、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronチップを採用したサーバ3機種を発表し、またAMDとの間で長期提携契約を結んだことも明らかにした。しかし、HPはこの動きについて、IntelのItaniumプロセッサ搭載サーバをないがしろにするものではないと強く主張している。
HPは、今回の発表で、IBM、Sun Microsystemsに続き、大手サーバメーカー4社のなかで3番目にAMDのプロセッサを採用したことになる。AMDは数年前から、Intelが独占していたプロセッサ市場に進出し、シェアを獲得してきている。HPは予想されていた通り、Opteronを2基および4基搭載したサーバを発表した。また同社は、第3四半期末までに薄型のデュアルOpteron搭載ブレードサーバを発売することも計画しているという。
Opteronは、Intelが今後投入するPentiumやXeonなどと同じく、広く普及している32ビットの「x86」プロセッサアーキテクチャに64ビット機能拡張を追加し、32ビットプロセッサが抱えるメモリ容量4Gバイトの障壁を克服している。
しかし、新サーバを発表した電話会議のなかで、HPの幹部はかなりの時間を割いて、同社が64ビットのXeonやOpteronプロセッサを採用したことによって、Intelの64ビットサーバ用プロセッサItaniumに対する同社の取り組みが弱まることにはならないと説明した。ItaniumはもともとHPが開発を始めたチップで、同社はその後Intelと共同で開発を進めてきた。
「2つのアーキテクチャは、相互に見事に補完し合っている。我々のIntegrity(HPのItaniumベースのサーバ製品)への取り組みは変わらない。逆に、実はこうした取り組みは今日の発表で強化される」と、HPのEnterprise Storage and ServersグループのシニアバイスプレジデントScott Stallardは語った。
64ビットのx86チップがItaniumを補完するという主張には、懐疑的な意見もある。
「x86拡張は、HPにとって必ずしも悪いことではない。HPはこの市場で、トップではないにしても上位につけている。だが、x86チップを拡張しても、特にItaniumに役立つことはないと思う」と、IlluminataのアナリストGordon Haffは述べている。「もちろん、Itaniumは現在でも、高性能コンピューティング分野においては、(x86チップよりも)優れた選択肢だ。だが、もう少し多くのメモリとスピードが欲しいだけの人々にとっては、x86拡張のほうがより自然な選択肢なのは間違いない」(Haff)
AMDとHPは、両社の提携の具体的内容は明らかにしなかった。しかし、HPの業界標準サーバマーケティング担当バイスプレジデント、Paul Millerは、この提携は数年間に渡るもので、HPは数百万ドルを投資することになると述べている。この提携は「我々のエンジニアが密接に協力し合い、次世代技術の定義を始めるための基盤となる」とMillerは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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