サンフランシスコ発-- Intelはこれまで何年も、32ビットと64ビット両方のソフトウェアを実行できるチップに対して、あまり関心がない素振りを見せてきた。だが、実のところ、同社は10年も前から、この技術の開発をめぐって検討を重ねてきていたという。
Intelの最高技術責任者(CTO)、Pat Gelsingerは、開催中のIntel Developer Forum(IDF)でのインタビューのなかで、同社が1990年代前半からこのようなチップの開発について議論していたことを明らかにした。もっとも、今回のIDFで発表した32/64ビットのサーバ用チップ(今年の第2四半期に登場予定)の開発にIntelが本気で取り組み始めたのは、「1999年か2000年」になってからのことだという。
一方で、同社はハイエンドサーバ市場向けに設計した純粋な64ビットチップであるItaniumを市場に投入。ところが、Itaniumチップには専用のソフトウェアとオペレーティングシステムが必要だった。これに対し、新しく登場するチップは、より汎用なサーバ向けに設計されており、少なくとも表向きは、ソフトウェア開発者が専用の新しい64ビットソフトウェアを開発するまで既存のソフトウェアで間に合わせることができるとされている。
あらためて言うまでもなく、1999年後半というのは、ライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)がMicroprocessor Forumで32/64ビットチップ開発の青写真を発表した時期と重なる。AMDは当初、現在Opteronと呼ばれるこのチップを2001年に投入するとしていたが、その登場は2003年にずれ込んだ。
Intelの最高経営責任者(CEO)Craig Barrettが米国時間17日に明らかにしたところによると、Intelは両タイプのソフトウェアを実行できるサーバチップを、今年第2四半期までに投入する計画だという。
マイクロプロセッサ業界を代表するIntelは、これまで何年もこの種のハイブリッド型チップを鼻であしらってきていた。昨年の同カンファレンスでは、主任レベルの研究者たちがこのようなチップを開発し、市場に投入することの難しさを強調していた。だが、Intelが何と言おうと、実際にAMDの32/64ビットチップは、IBMやSun Microsystemsなどのメーカー各社から人気を博しているように見える。
Pentiumなどの各種デスクトップPC用プロセッサは、32ビットソフトウェアに対応しているのが一般的だ。一方、ItaniumやSunのUltraSparcなどのチップは、64ビットアプリケーションに対応している。64ビットチップの方が一般的には低いクロックスピードで動作するが、こちらの方が一度にアクセスできるメモリの単位が大きく、より高いパフォーマンスが実現できる。ところが、これらの64ビットチップでは専用のソフトウェアを用意する必要がある。
Intelが今回発表した32/64ビットチップも、またAMDの同種のチップでも、両方のタイプのソフトウェアを扱える。
今回のGelsingerのコメントは、1990年代前半のIntel社内の状況を反映したものといえる。当時同社では、既存の32ビットチップを強化して64ビット対応にすべきか、それとも当時まだ設計の途上にあったItaniumアーキテクチャをベースに新たなチップを開発すべきかを巡って、盛んに議論が戦わされていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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