SCO Groupと、IBMおよびNovellの間で繰り広げられているタッグマッチが、新しいラウンドに突入した。IBMの契約違反を晴らすために、Novellが同社にあるとされる権利を発動したのだ。
米国時間11日にNovellがSCOに送付した書簡のなかで、同社の弁護士は、SCOがサーバメーカのSequentに対して起こした訴訟の取り下げを求めるNovellの要求をSCOが認めようとしないなら、NovellがSCOに代わって訴訟を無効にするように動くつもりだと述べた。SequentはIBMが数年前に買収している。
この書簡によれば、「Novellは、SCO Groupに代わって、SCOがSequent(またはその後継としてのIBM)に対し、Sequentのコードを守秘義務や使用制限の適用対象とするよう求めるいかなる権利も放棄する」という。この守秘義務と使用制限は、SCOがUnixに関してIBMと結んだ契約に盛り込まれていると同社が主張しているものだ。
SCOは昨年、IBMが自社のLinuxソフトウェアにSCOがコントロールするUnix OSのソースコードを違法に組み込んだとしてIBMを訴え、IT業界を大いに慌てさせた。それ以来、この訴訟はLinuxに対する広範な攻撃に発展し、Linux界の有力ベンダーであるRed Hatをも訴訟に巻き込み、また世界中のLinux支持者の怒りを買っている。
Novellは早くからこの争いに加わり、SCOによるUnix購入には著作権が含まれていなかったと主張。これに対し、SCOは後にNovellを名誉毀損で訴えることで応戦し、NovellがUnixをコントロールしているとの事実に反する主張が、SCOのビジネスを害したと主張した。
今回のNovellの動きは、IBMに対する訴訟の取り下げを求めたNovellの要求を、SCOが受け入れなかったことを受けたもので、Unixに関する権利をNovellからSCOに移した1995年の契約に含まれる、いわゆる「silver bullet(魔法の解決)」条項に基づいている。同条項は、Novellが要求すれば、SCOがライセンス契約の下で、どのような権利でも「修正、補足、変更、放棄」しなければならず、SCOがこの要求を受け入れない場合は、Novellが先制して行動を起すことができるというものだ。
この条項は、IBMの訴訟を一層複雑にするだけでなく、NovellがLinuxユーザーを法的責任から守るという申し出を実行する際にも、発動される可能性がある。Novellは、SCOの要求からIBMとSGIを保護するために、以前にもこの条項を発動したことがある。
SCOは、自社に代わって行動を起こせる権利があるとするNovellの主張に異議を唱えている。「Novellには、SCOがUnixのライセンシーと交わしたソースコードライセンスに関する契約に口を差し挟んだり、あるいはそれを変更したりできる権利はどこにもない、とSCOは考えている。SCOにはSequentあるいはIBMに対して自社が持ついかなる権利も放棄するつもりはない。我々はこれらすべての問題に関して、法廷でNovellと争っていく」(SCO)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」