Sun Microsystemsは米国時間10日に、サーバ製品の大幅な見直しを発表する予定だ。同社は今回、独自の新UltraSparc IVチップおよびAMDのOpteronプロセッサをそれぞれ搭載した新システムを投入する。
既報の通り、新サーバはサンフランシスコで行われるSunの製品発表イベントの目玉になるはずだ。
Sunによれば、UltraSparc IV搭載モデルは3月に、またOpteron搭載モデルは4月に、それぞれ発売になるという。
UltraSparc IVチップは、同一のシリコン片上に2基のUltraSparc IIIプロセッサを搭載する。IBMのPower4で、2001年にサーバ市場にデビューした、この「デュアルコア」チップテクノロジーは、Hewlett-Packard(HP)が米国時間9日に発表したPA-8800 Unixサーバでも採用されたものだ。
Sunの戦略最高責任者、Mark Tolliverによれば、UltraSparc IVサーバはUltraSparc IIIを採用したシステムに比べ、80%も処理速度が向上しているという。だが、価格はわずか30%高くなるだけだと、同氏は付け加えた。
Sunは長年、UltraSparcチップベースのサーバだけを開発してきたが、現在はライバル企業のHP、IBM、Dellと同じように、複数のチップ搭載製品を扱うようになっている。この戦略を可能にするには、新しいハードウェアの設計だけでなく、新しいサプライヤや新しい販売網、そしてサーバソフトウェアの新バージョンも必要だ。
Sunの新しいモデルは、数年にわたる値引き競争で受けた痛手からようやく立ち直ったばかりのサーバ市場が、激しい競争に突入した時期に投入されることになる。9日のHPの発表はこの市場での同社の動きを示すものだ。一方、IBMは今年後半に新しいPower5ベースの「Squadron」システムをリリースすることになっている。
UltraSparc IVシステムは、2003年後半にSunがUltraSparc IIIラインを発表して以来、初めての主要なアップグレードとなる。今回、Sunは新しいチップへの移行が短期間で完了すると期待しており、1年かかった前回に比べ、今回は半分の2四半期で完了させようとしている。
1.05GHzまたは1.2GHzで動作するデュアルコアUltraSparc IVチップは、真新しいサーバを必要としないため、この移行は容易に進む可能性がある。
新しいUltraSparc IVモデル
Sunの新しい最上級モデルとなるのは、Sun Fire E25Kで、最大72基のUltraSparc IVを搭載可能。同社エンタープライズシステム製品グループのマーケティング担当バイスプレジデントSteve Campbellの話では、このサーバは4月に出荷開始になるという。価格は82万5000ドルからとなっているが、より多く出そうな構成--たとえば48基の1.05GHzプロセッサおよび192GBのメモリを搭載したものは、224万ドルになるという。
Campbellによると、36基のプロセッサを搭載したE20K、および12プロセッサのE2900も、それぞれ4月に発売になるという。一番早く発売となるUltraSparc IV搭載システムは、12プロセッサのE4900と24プロセッサの E6900モデルで、共に3月に発売になる。
Opteron搭載モデルも
Sunは、V20zを第1弾とするOpteron搭載システムが、自社のx86サーバ販売に火を付けることを期待している。Tolliverの話では、デュアルプロセッサのOpteronサーバの性能は、同じくデュアルのXeonサーバを20〜100%上回るという。V20zの価格は2795ドルからとなっている。
SunのOpteron搭載システムには、LinuxもしくはSolarisが付属する。Solarisについては、当初は現在のIntelチップ搭載サーバで動いているのと同じ32ビット版を用意するが、今年後半には64ビット版をリリースするとTolliverは語った。
Sunはまた、デュアルプロセッサのXeon搭載システムをブレードサーバに採用しようとしている。これは2003年中に完了の予定だった動きだ。同社のB200xは、UltraSparc IIベースのブレード用シャーシに納めることができ、N1ソフトウェアを使ってアプリケーションの管理が可能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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