情報筋が5日(米国時間)に伝えたところによると、SCO GroupはUnixとLinuxをめぐりIBMに対して起こしている訴訟で、新たにIBMによる著作権侵害の申し立てを追加し、すでに混迷を極めている同訴訟の範囲を大幅に拡大した。
2005年4月11日に予定される裁判に向けた第一段階として、IBMがSCOに開示する必要のある情報についての審問が今週行われるが、SCOはその前日に申し立て内容の変更を行った。
SCOはIBM提訴の理由として、IBMが同社との契約に違反し、プロプライエタリOSであるUnix向けに開発された技術をオープンソースのLinuxに移植し、同社の企業秘密を不正に流用したためとしているが、SCOはさらに主張内容を拡大しており、IBMによる著作権侵害の申し立てはその中心ともいえる。
IT業界では、大半の企業が積極的にLinuxを採用していることから、この訴訟が起こされて以来、業界には幾分不透明感が広がっている。だが、IDCなどの調査会社は、この訴訟の影響でLinuxの成長速度が鈍った様子はみられないとしている。
SCO広報担当のBlake Stowellは、IBMに対する訴訟で2度めとなる今回の申し立て内容修正について、コメントは避けたものの、6日の審問後に記者会見を行う予定だと述べた。
しかし、2003年12月5日に行われた審問で、SCO側の弁護団は同社がIBMによる著作権侵害の申し立てを追加する予定であると述べており、また今月4日に裁判所に提出した書類の中で、IBMに対する現在の告訴内容の変更許可を求めている。
SCOは、申し立て変更の許可申請のなかで、IBMからの情報開示が開始されれば申し立てを再度変更することも有り得るとしている。SCOがIBMから情報を入手する道は、昨年12月の審問でBrooke Wells判事によって断たれている。
SCOの弁護団は申請書の中で、「IBMは証拠開示を通じて、同社の反訴によって提起された問題と関連のある証拠をさらに提示することが予想され、一方のSCOは、IBMが証拠開示責任に従い、情報提供を再開したら、実際に同社の主張を調整する機会を求めることが予想される」と述べた。
Wells判事は12月の審問で、SCOに対して、IBMの情報開示要求に従うよう命じたが、今回SCOがIBMに対して求めた情報開示要求については、開示を6日まで延期するよう命じた。6日の審問では、IBMが提供すべき情報について議論される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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