KDE Projectは、K Desktop Environmentソフトウェアの大型アップデート、KDE 3.2をリリースした。このアップデート版に含まれるKonquerorウェブブラウザには、AppleのSafariブラウザチームとのコラボレーションから派生した改良が加えられている。
KDE 3.2はKDE Projectの過去1年の取り組みの成果だが、KDE開発者によると、今回のアップデートのなかで最も顕著な改善点は、アプリケーションの起動時間やHTMLレンダリング時間の短縮だという。KDEは、Gnomeと並んで、UnixやLinuxのグラフィックユーザーインタフェース(GUI)および統合アプリケーション環境を提供する2大パッケージの1つだ。KDEはArk Linux、Conectiva、Knoppix、Lindows、Lycoris、Mandrake Linux、SuSE Linux、TurboLinux、Xandrosなどの各Linuxディストリビューションで、デフォルトのインタフェースとして採用されているほか、その他の主要Linuxシステムのほとんどでもオプションに含まれている。
KDEによると、KonquerorウェブブラウザはAppleのSafariブラウザと基本エンジンが同じで、Safariプロジェクトの恩恵を受けているという。新しくなったKonquerorでは、ウェブページの読み込みやレンダリングが高速化されたほか、ウェブ標準のサポートも改善されている。AppleのSafariプロジェクトでは、ブラウザの互換性を改善するため、うまく表示されないサイトがあれば報告するよう、ユーザーに奨励するなどの取り組みを行なっている。
KDE 3.2では、FreeDesktop.orgの定める標準のサポートが強化されているため、KDE以外のアプリケーションとの互換性が向上したことになる。また、KDE Kiosk環境管理システムが変更されて、設定システムも改善された。さらにPlastikという新しい外観が導入されるなど、ユーザーインタフェースにも数多くの改良が施されている。
さらにKDE 3.2では、MicrosoftのRemote Desktop Protocol(RDP)もサポートされ、異なるプラットフォーム間でのデスクトップ共有が可能になった。同プロジェクトの開発者たちは、KDE 3.2に関して、ユーザーから寄せられた1万件近いバグ報告と、約2000件にのぼる機能についての要望を処理した。
KDEには、音楽プレーヤーのJuK、インスタントメッセージ用のクライアントソフトであるKopete、パスワードやウェブフォーム入力データを保存するKWallet、暗号化ツールKGpgなどのアプリケーションが新たに含まれている。
KDE 3.2は42言語に完全対応し、その他32言語に部分的に翻訳されている。同ソフトウェアはKDEのウェブサイトから無料でダウンロードできる。
KDEと並ぶ統合GUI環境、Gnomeは、昨年NovellがXimianとSuSE Linuxオペレーティングシステム(OS)を買収したことで勢いが増している。XimianはGnomeベースのユーザー環境を開発している企業だ。Novellは最近、Ximian Desktop 2をアップデートし、SuSE Linuxとの互換性を持たせた。同社はさらに両者の統合も計画している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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