富士通は1月26日、IT基盤TRIOLEのアプリケーションサーバ製品であるInterstage V6に、新製品Interstage Realtime Communicatorを追加、同日より販売を開始した。同製品は、外出先などビジネスの現場から、状況の変化に応じて必要となるリアルタイムな情報に容易にアクセスできるよう基盤を構築するためのソフトウェア。同様のシステム構築が、同ソフトウェアを利用することにより、約3分の1の期間で可能になるという。
富士通ソフトウェア事業部ミドルウェアソリューション事業部長の天野宏氏 | |
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富士通ソフトウェア事業部ミドルウェアソリューション事業部長の天野宏氏は、Realtime Communicatorが必要となる背景として、ユビキタスネットワーク環境への対応の重要性を挙げる。「PCでのコンピューティングはもちろん、現在ではPDA端末や携帯端末でのコンピューティングおよび情報収集はあたりまえ。さらに、ネットワークも無線LANやホットスポットなど、多様化しているのが現状だ。それに伴ってサービスの種類も増加し、それぞれの環境やサービスへの迅速な対応が迫られる。Realtime Communicatorは、人やモノ、サービスなどの状態をシステムが一元管理し、利用者に適したデータや情報の配信を実現するもの。多様な組み合わせを統一的にサポートし、それぞれ個別のプログラミングを必要とせずにサービスの拡大に対応することができる」(天野氏)
同様の機能を持った製品は、「国内、海外を問わず、多くのベンチャー企業も開発しており、わが社にも売り込みがあった」と同社プラットフォームソリューションセンターTRIOLE推進室長の三津濱元一氏は明かす。だが三津濱氏はRealtime Communicatorの強みとして、「単体だけが存在しても、やはりTRIOLEのようにシステム全体としてのソリューションを提供できなければ意味がない。運用管理面やハードウェアのサポートなど、富士通ではすべて含めたソリューションを提供できるのが強みだ」としている。
すでにRealtime Communicatorを使った事例も数件存在しており、例えば駐車場の空き情報やショッピングセンターのセール情報などを、カーナビゲーションシステムがオン状態の時はカーナビゲーションシステムに、オフの時には携帯電話にシームレスに発信するというサービスや、化粧品のビューティーカウンセラーに対し、本部からの新商品情報や宣伝情報、成功事例、顧客動向などを個人のレベルに合わせてプッシュ配信し、それを店舗で参照しながらカウンセリングを行うといった利用方法が紹介された。ビューティーカウンセラー向けのサービスでは、パーソナライズや変化に応じたコンテンツ配信をミドルウェアで吸収し、従来であれば7カ月かかるシステム構築が3カ月に短縮できたという。
天野氏は「3年くらいすれば、この製品を採用したシステム構築が一般化するだろう」という。富士通では、Interstage全体の販売目標を「2005年度末までに21万3000サーバ」としているが、Realtime Communicator単体では「2004年度中に500案件を扱いたい」としている。
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