日立、ドイツの研究機関とPKI認証技術を共同研究

ニューズフロント2004年01月23日 15時27分

 日立製作所のシステム開発研究所と、ドイツの非営利応用研究機関Fraunhofer Gesellschaftの下部組織であるFraunhofer Institute for Secure Telecooperation(FhI-SIT)は、公開鍵暗号基盤(PKI)ベースの認証技術に関する共同研究を行うことで合意した。日立が1月23日に明らかしたもの。研究の目的について、日立は「国によるPKI環境の違いを意識せず、通信相手の認証を可能とする検証技術を世界で初めて確立する」としている。

 PKIは、公開鍵暗号技術を使用した暗号/電子署名システムであり、「インターネットやイントラネット用セキュリティ基盤技術の業界標準」(日立)という。「国内では“e-Japan戦略II”や“電子政府”などの次世代IT社会構想において、なりすましや改ざんを防止し、情報社会における高度な安全性を確保する技術として期待されている」(同社)

 日立は同社の証明書検証サーバ(CVS)を世界市場で展開するために、FhI-SITと共同で研究を進める。テーマとする研究内容は以下の通り。

 ・ 海外検証手法への対応:
国内の政府認証基盤では単一の認証局を信頼する相互認証証明書モデルを採用するのに対し、海外では多信頼点配布モデルを採用する国がある。FhI-SITとの共同研究により、多信頼点配布モデルに対応する機能をCVSに付加する
 ・ ドイツのブリッジ認証局における多信頼点配布モデル環境での効果の検証:
多信頼点配布モデルは、検証時にユーザー側の負担が大きいという。そこで、CVSに付加した多信頼点配布モデル機能を用い、日立の相互認証証明書モデルの証明書検証技術を、FhI-SITが提供するドイツのブリッジ認証局での多信頼点配布モデル環境に適用させ、負担軽減効果を検証する
日立製作所のプレスリリース
Fraunhofer Institute for Secure Telecooperation

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