ニューヨーク発--Microsoftは、開催中の「LinuxWorld Conference and Expo」に幹部を送り込み、参加者からの質問に応じさせた。この幹部は、次々と投げかけられる質問に敢然と立ち向かっていた。
Microsoftのプラットフォーム戦略ゼネラルマネージャー、Martin Taylorは22日(米国時間)、ソフトウェアに品質、セキュリティ、および法的な保護を求めるなら、Microsoftの製品を購入すべきだと述べた。同氏は、講演の壇上に、冗談で防弾ジャケットを身に付けて登場した。
今回LinuxWorldに自社の幹部を送り込んだのは、感情ではなく事実に基づいてMicrosoftのソフトウェアから得られるメリットを議論しようという、同社のマーケティングキャンペーンの一環だ。しかし、参加者の間からはMicrosoftの行為に対する怒りや懐疑が湧き上がり、それが質問の形をとって、講演者のTaylorに浴びせられた。
「Linuxコミュニティに対して、非倫理的または反競争的な行動をとらないと約束できるか?」とある参加者が問うと、別の参加者が「プロトコルを公開しろ!」と叫び出した。
質問の多くは、ウェブページ配信用のInternet Information Server、ワープロなどのデスクトップタスク用Officeスイート、Internet Explorerウェブブラウザ、データベースのSQL Serverなど、Microsoftの各アプリケーションのLinuxバージョンを求めるものだった。
Taylorは、Microsoft製品のLinuxバージョンは高価になる上、同社が機密にしておきたい知的財産が外部に露呈する恐れがあると述べた。「OfficeをLinuxに移植して、Windows同様の体験を再現するのは、それほど簡単ではない」(Taylor)
MicrosoftがLinuxWorldに参加してプレゼンテーションを行なったことは、一部の参加者には驚くべき出来事だったようだ。
レンスラー工科大学でシステム管理者を務める、Linux使用歴3年のE. Andrew Mondoreは「今日この場でMicrosoftの連中の姿を見かけたことに非常に驚いている」と述べた。
Taylorの対応ぶりについては、Mondoreは特に感心もしなかったという。「Taylorは自分が答えたい質問には答えて、答えたくないものには答えなかった」(Mondore)
技術に関する判断については自らを実用主義者だというMondoreは、Internet ExplorerのLinux版があればいいと考えている。「きちんと記述されておらず、IE以外では機能しないウェブページが実に多い。これは大きな問題だ」(Mondore)
MicrosoftのTaylorは、自分がここに来た目的がWindowsのセールスであることを率直に認め、MicrosoftがLinux版のソフトウェアを販売する可能性を否定した。
また、TaylorはMicrosoftの顧客には複数のオペレーティングシステムを併用しているところが多いことを認めたが、同社が一部の分野でLinuxユーザーの利便性を高めるような動き---たとえば、Linux搭載機のなかに保存されたファイルをWindowsマシンでも読めるようにするソフトウェアを提供するといったことはまずなさそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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