IBMは2005年前半に、IntelのXeonチップを64基搭載したサーバをリリースする計画だ。この動きは、IBMとIntelがプロセッサに関して異なる方向に進もうとしていることを、改めて浮き彫りにするものとなる。
このIBMのシステムは、同社が1998年から続けてきているIntel製プロセッサ搭載サーバ開発のなかから生まれた製品の第3世代にあたる。同社はこの年、Intel製プロセッサを使用したサーバ開発に本気で取り組むとの決定を行った。この開発を通じて、両社の関係は深まったが、しかしIntelがコンピュータメーカー各社にItaniumへの移行を働きかけているのに対し、IBMではハイエンドのXeonサーバに未来があると考えている。
第1世代にあたるXeonプロセッサ16基を搭載した「x440」や、第2世代の「x445」(32基搭載)のように、次世代のXeonプロセッサ64基搭載マシンは、IBMのEXA(Enterprise X Architecture)チップセット(コード名「Summit」)のあるバージョンを利用する。「第3世代のEXAチップセットを使用したシステムは、2005年初頭に登場する」と、IBMのxSeriesサーバグループCTOを務めるTom Bradicichは述べている。
Bradicichは、いずれも64プロセッサシステムに適さない現在のWindowsやLinuxに、こうした大規模なシステムをサポートするための機能を盛り込むことを含め、このような大規模なシステムの開発にあたっては、いくつもの課題があることを認めている。
このIBMのシステムには、IntelのXeonの1つである「Potomac」を採用することになる。このプロセッサは、2004年に登場予定のマルチプロセッサ搭載サーバ向けに開発された、さらにハイエンドのモデルだ。
XeonかItaniumか
Xeonプロセッサは32ビットチップで、Intelの64ビットプロセッサであるItaniumと比較して、扱えるメモリ量が限られている。OracleやMicrosoftのSQL Serverのような大規模データベースソフトを動かす場合には、メモリ容量の大きさは重要な要因となる。
だがIBMは、Xeonにはデータベースの稼働のような作業を行うだけの能力があると考えており、またItaniumとは違って、Intelチップ搭載サーバ向けに書かれた既存ソフトの大部分をきちんと動かせるという事実を高く買っている。
一方、Intelは、いまのところItaniumをハイエンドコンピュータ向けに売り込んでいるが、今後はその対象をローエンドマシンにも拡げる予定だ。
Intelは、2007年までに、Itanium搭載システムをXeonベースのものと張り合えるだけの価格に引き下げるべく、そのためのコンポーネント開発を続けていると、同社サーバ製品グループのシニアバイスプレジデントを務めるMike Fisterは、13日の報道陣とのミーティングで語った。
Intelにとって、ItaniumとXeonとのバランスをとることは、これまでずっと困難なことだった。
「Xeonは、Intelにとって諸刃の剣のようなものだ」と、調査会社Sageza GroupのCharles Kingはいう。「Xeonはスケールし続けている。性能も向上し続けている。まったくすばらしい製品だ」(King)
「Xeonの相対的な性能の高さは非常に素晴らしく、時々私は、顧客がItaniumプラットフォームへなかなか移行しないのは、このXeonの性能の高さが障害となっているせいではないかと思うことがある」(King)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」