米Sun Microsystemsは、次世代の「SETI@Home」へ資金を提供することに合意した。SETI@Homeとは、コンピュータユーザーが使用していないプロセッササイクルを提供して地球外生命体の探索に役立てるという、米カリフォルニア州立大学の進める分散コンピューティングプロジェクトだ。
SETI@Homeは1999年以来、コンピュータユーザーがスクリーンセーバーをダウンロードできるようにしている。このスクリーンセーバーは、プエルトリコにあるArecibo電波望遠鏡から収集されたデータユニットを、自動的にダウンロードして分析し、その結果を送り返す仕組みになっている。
SETI@Homeプロジェクトにかかった費用は現在までのところ50万ドルだが、15テラフロップ相当の性能--1億1000万ドルする米IBM製ASCI Whiteシステムが達成した、12テラフロップを上回る計算能力だ--が日常的に得られている。1テラフロップはコンピュータの処理速度を測る時の単位の1つで、1秒間に1兆回の浮動小数点演算処理が可能なことを示している。
Sunが資金提供する次世代SETI@Homeは、Berkeley Open Infrastructure for Network Computing(BOINC)という新技術のなかに組み込まれることになる。BOINCは、地球外生物探索など幅広い学術的コンピューティングプロジェクトに、安価で共有可能なコンピューティングを提供することを目的とした技術だ。また参加者らはBOINCによって、異なるプロジェクト間でコンピューティングリソースを共有できるようにもなる。
一般ユーザーも参加するパブリックなコンピューティングプロジェクトは、膨大なコンピューティング処理能力が必要なアプリケーションに非常に効果的だ、とSETI@HomeとBOINCのディレクター、David P. Andersonは言う。「こうしたアプリケーションは、科学の多くの分野に存在する。人々が単に傍観者ではなく参加者として科学に携わる、素晴らしい方法だ」(Anderson)
Sunのグローバル教育研究グループマネージャー、Joerg Schwarzは、スーパーコンピューティングの将来は「オープンなアーキテクチャとパブリックコンピューティングにある」と述べている。パブリックコンピューティングのおかげで、世界中のコンピュータユーザーが、さまざまな分野の学術研究の進歩に貢献できるようにもなった」(Schwarz)
SETI@Homeはすでに、Sunのエンタープライズサーバを10台以上、ワークステーションを70台使用している。これらのマシンではSolarisオペレーティングシステムが稼動している。
なお、BOINCのベータバージョンは、カリフォルニア州立大学バークレー校のBOINCウェブサイトから無料でダウンロードできる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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