米Oracleは今週、新しいアプリケーションサーバ製品をリリースし、グリッド対応のソフトウェアに関する計画をさらに前進させる。
同社は、ビジネスアプリケーションを実行するためのソフトウェアApplication Server 10gを、11日(米国時間)にリリースすると発表した。
Oracle幹部によれば、10gシリーズのデータベースソフトは、予定通り今年終わりまでに出荷できる見通しで、添付のJavaツールJDeveloper 10gは、来月完成する予定という。Oracleはまた、グリッド内で稼動する多数のサーバの管理をしやすくするために、システム管理ソフトウェアを改訂する、と同幹部は述べた。
Oracleのソフトウェアではグリッドの特徴が生かされており、1台の高価なサーバで処理していたジョブを、いくつかの低価格なサーバを組み合わせた「グリッド」で処理できるように設計されている。さらに、複数のサーバからなる構成であれば、ハードウェアの故障に備えるための、より多くのバックアップオプションが提供できる、とOracleはいう。
同社はまた、今回のリリースにより、競争の激しいJavaベースのサーバソフトウェア市場で、米IBMや米BEA Systemsよりも優位に立ちたいと考えている。調査会社の米Gartner Dataquestによれば、2002年には、IBMとBEAがアプリケーションサーバの総収益のおよそ3分の2を占めており、Oracleの市場シェアは10%にも満たなかったという。
しかし、Oracleは、同社のアプリケーションサーバ事業の成長は目覚しく、顧客は現在およそ1万7500社を数えると述べている。マーケティング担当のバイスプレジデント、Robert Shimpは、同社では今年3月に、BEAの顧客を惹きつけ、自社のアプリケーションサーバに乗り換えさせるプログラムを開始したが、いくつかの企業がすでにこのプログラムを利用してOracleの顧客になっている、と説明する。
同社は、売上を伸ばすために、データベースの顧客基盤をさらに拡大してアプリケーションサーバソフトを販売し、また中小企業を顧客とするベンダーと提携する、とShimpは語った。
さらに、Oracleは、自社のアプリケーション内で動作するビジネスプロセスの統合ソフトウェアを改良し、企業内のアプリケーション間または提携先企業と、自動的にデータを交換できるようにした。同社はまた、企業がシステム内のデータ交換状況を調べられるように、組み込みのレポート機能を追加した、とオラクル幹部は説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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