米Microsoftは3日(米国時間)、他のハイテク大手企業に習い、自社技術を従来よりも幅広く他の企業にライセンス提供していくとの方針を明らかにした。
既報の通り、この動きは同社の知的財産を外部者が利用できるようにする、今までで最も広汎な取り組みといえる。Microsoftは、自社のClearTypeフォント表示技術やファイルアロケーションテーブル(FAT)ファイルシステム技術をライセンス提供する具体的なプログラムも同時に発表し、米Lexar MediaがFATのライセンスを、独Agfa MonotypeがClearTypeのライセンスをそれぞれ受けることも明らかにした。
Microsoftはこれまで、自社のライセンス計画を明確化し、範囲を拡大するよう他の企業から求められていたと、同社で法務を担当するBrad Smithは同日行われた電話会議のなかで述べた。このため、Microsoftでは「商業的に妥当」と思われる明確な条件で、自社のさまざまな技術をライセンスするプログラムを提供したのだと同氏は説明している。
「Microsoftの研究開発に対する多大なコミットメントと大規模な投資が、価値の高い、いまも発展中の、さまざまな知的財産という形で実を結んだのは当然のことだ。自社の知的財産をライセンスという形で、さらに幅広く外部に提供することで、我々は(ハイテク業界における)コラボレーションの新たなチャンスを作り出せる」(Smith)
また同社は、学術コミュニティが非営利目的で使用する場合、同社の特許技術の「100%」を無料で提供するとも述べている。
Microsoftはすでに、限定的ながらも、自社技術をライセンス提供するプログラムを設けており、企業や規制当局のニーズに応えるために、過去数年にわたってこのプログラムを徐々に拡大してきている。
たとえば、同社は今年8月、Windowsオペレーティングシステム(OS)で動作する製品の構築に必要な、プロトコルのライセンス条件を緩めている。米規制当局との和解合意のなかで、同社は「妥当かつ非排他的な」条件で、こうしたコードをライセンスしなければならないとされているためだ。
また、同社は先頃、パソコンの技術サポートを行なうサードパーティ企業に、同社のソースコードへの部分的アクセスを認める、ソースコード共有プログラムを拡大した。さらに11月には、Officeアプリケーションの最新版で試用されているXMLベースのファイル形式を、ロイヤリティ無料でライセンスすることを明らかにしている。アナリストらによると、5日(米国時間)開始予定のこのプログラムは、競合企業や規制当局から迫る圧力に刺激されたものだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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