スーパーコンピュータの遺伝子プールに、新たな種が加わった。
16日(米国時間)に発表されたスーパーコンピュータ上位500位リストのトップを占める10のシステムのうち、3つは新システム、1つはアップグレードされたもの、そして2つは、リスト初登場となるプロセッサ--米IBMのPower PC 970と米Advance Micro DevicesのOpteron--をベースにしたものだった。
IBMのチップは、公式名称は「X」だが「Big Mac」というニックネームで呼ばれている520万ドルのシステムに採用された。このシステムは、バージニア工科大学の研究者らが2カ月かけて、1100台のデュアルプロセッサApple G5コンピュータで構築したもの。10.3テラフロップ(1秒間に10兆3000億回の演算)を達成し、第3位にランクインした。
Opteronは、ロスアラモス国立研究所のために米Linux Networxが構築した、2816基のプロセッサクラスタで採用されている。このシステムの性能は8テラフロップだ。
第1位と第2位は以前と変わらず、NECのEarth Simulatorと、米Hewlett-Packardが構築したロスアラモス国立研究所のASCI Qで、それぞれ35.6テラフロップと13.8テラフロップの性能を有する。Earth Simulatorは今回で、4回連続1位をキープしたことになる。
このTop500リストは、独マンハイム大学と米テネシー大学、ローレンス・バークレー国立研究所がまとめている。
このリストは年2回、スーパーコンピュータ関連のカンファレンス開催前に発表されるもので、さまざまなメーカーの技術力の興亡、新技術の登場、そして絶え間なく続く世界の高速スーパーコンピュータの計算能力向上の様子が明らかになる。
上位500システムの性能は、全体として、4年ごとに10倍という指数関数的な勢いで向上している。1993年当時の全体の性能は、わずか1テラフロップ強だった。それが、1997年には10テラフロップ、2001年には100テラフロップを達成しており、2005年頃には1000テラフロップ(=1ペタフロップ)に達しそうだ、とリスト編集者らは話している。
またこの予測によると、上位500位以内に入るためには、1テラフロップ程度の性能が必要になる。現在、この水準を越えているシステムは131ある。
なお、各システムは、Linpackという、線形方程式を解くスピードテストの成績でランク付けされる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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