米Sun Microsystemsの最高経営責任者(CEO)Scott McNealyは、同社が米Adovanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサ搭載サーバを発売する意向であることを発表すると見られている。Opteronにとっては大きな支持が得られたことになる。
この計画に詳しい情報筋によると、McNealyは11月17日(米国時間)に、ラスベガスで開催される「Comdex」トレードショーでこの発表を行なうという。4大サーバメーカーのうち、SunはIBMに次いで2番目にAMDのプロセッサを採用することになる。
この動きは全く予想できなかったわけではない。Sunのオペレーティングシステム(OS)製品部門トップのJohn Loiaconoは4月に、同社がOpteron搭載サーバを販売する可能性があると述べていた。それに、Sunソフトウェアグループのエグゼクティブバイスプレジデント、Jonathan Schwartzは今年10月、Sunが2004年にSolaris OSのOpteron専用バージョンをリリースすることを表明している。
Sunの計画に詳しい筋によると、同社はOpteron専用バージョンのSolarisかLinuxを搭載した、デュアルプロセッサおよび4プロセッサのOpteronサーバを発売する見込みだ。
Opteronは、AMDにとっては大きな賭けだった。同社は、米IntelのPentiumやXeon、Celeronといった「x86」ベースのチップと互換性のあるプロセッサをつくることで、大成功とは言えないまでも、生き残っている。Opteronは、こうした32ビットチップとの互換性を維持しつつ、64ビット拡張が施されているので、より大量のメモリをスムースに扱える。
Opteronでは、既存の32ビット用ソフトウェアも実行できるが、64ビット機能を利用するにはソフトウェアの再構築が必要になる。ただし、再構築されたバージョンのソフトウェアは、32ビットチップでは動かなくなってしまう。つまり、Opteron専用のソフトウェアを販売する場合、Xeonバージョンとは別のバージョンをサポートしなくてはならないのだ。
「Sunは開発・サポートコストの増大というリスクを負っている」と米IlluminataのアナリストGordon Haffは言う。「コスト増はわずかだ。しかし、同社はコスト削減に取り組んでいる上、あまりに多くの事業を抱えていることから、ごくわずかなコスト増でも懸念が生じる」
しかしながら、同社が優位になるチャンスももちろんある。Sunはまだ、同社のJava Enterprise Systemサーバソフトウェアスイートの64ビットOpteronバージョンの開発を始めてはいないが、64ビットバージョンのJavaは、32ビットx86バージョンよりも性能が向上するとSchwartzは述べていた。
Intelは、自社の64ビットプロセッサItaniumを強力に打ち出しているが、同社がAMDと似た戦術を採ることもあり得る。この可能性についてIntel自身はコメントしそうにないが、Sunのプロセッサ及びネットワーク製品グループの責任者であるDavid Yenの考えでは、Intelは次世代Pentium「Prescott」シリーズで64ビット機能拡張を追加してくるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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