カリフォルニア州サンノゼ発--当地で開催中のMicroprocessor Forumで14日(米国時間)、台湾のチップメーカー、Via Technologiesが、携帯型PCを小型化するために設計したプロセッサ、各種チップ群、マザーボードなどを発表した。
たとえば、まもなく登場予定のVia Eden-Nというノート型PC向けプロセッサは、15mm四方のパッケージ内に納まり、その大きさは1セント硬貨よりも小さいと、Viaのプロセッサ開発部門であるCentaur Technology社長のGlenn Henryは説明した。
Via Eden-Nチップは、チップセットおよびグラフィックチップとともに、Nano-ITXマザーボード上に搭載される。この小型マザーボードは、1辺が12センチで、同種のマザーボードよりも小さい。米Intelが提供する同種のボードは、約3倍の大きさになるとHenryは説明した。マザーボードが小さくなるほど、コンピュータは小型化できる。
Viaのチップはまた、電力消費を抑える機構と、ユーザーがファイルを暗号化できるようなセキュリティ機能が組み込まれることになると、Henryは付け加えた。同氏によれば、チップは30ドル以下の価格で販売されるという。
Henryは、米IBMと米Dellで高い地位の役職を務めた人物だが、マイクロプロセッサ業界におけるバウハウス運動の父の1人といえるかもしれない。ミニマリズム(簡素化と非個性化)と機能性を重視したバウハウスにならって、Henryと彼の設計チームは、プロセッサの処理速度やパフォーマンスではなく、主としてコスト削減と省電力化で、米Intelや米Advanced Micro Devices(AMD)の製品に対抗しようとしてきた。
そのため、Viaの安価なプロセッサのほとんどが途上国で売れているというのも、驚くべきことではない。またコンピュータマニアのなかには、弁当箱や日用品をコンピュータに変身させるために、Viaの既存のチップとMini-ITXマザーボード(小型だがNano-ITXボードよりは大きい)を使う者もいる。
Eden-Nのコアは小型で、非常に電力効率がいいと、Microprocessor Forumの主催者でもあるMicroprocessor ReportのシニアエディアKevin Krewellは述べている。「Via製チップの半分以上が国外で販売されている。それらは199ドルのLinux PCで利用される」(Krewell)
その好例が、新型のEden-Nチップのトランジスタ数だ。Eden-Nは、今年1月に発表されたデスクトップPC向けのEdenプロセッサの派生品である。セキュリティ機能をチップに組み込む際に、基本となるプロセッサにさらに18万のトランジスタを追加する必要がある。だが、他の機能の合理化により、Viaは28万トランジスタの削除に成功し、全体では10万トランジスタの削減を実現した。
Viaでは主に省電力化と小型化に重点を置いているが、同社はまたクロックスピードも向上させた。現在コンピュータメーカーにサンプルが出荷されているこのチップは、1.4GHzで動作し、また200MHzのシステムバスを持つようになるという。
さらに、後継モデル「Esther」の設計も現在完了しようとしていると、Henryは付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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