カリフォルニア州サンノゼ発-- 米Transmetaは14日(米国時間)、Efficeonチップの技術詳細を公開した。問題は、顧客がこれに飛びつくかどうかだ。
Transmetaの創業者であるDavid Ditzelが、当地で開催中のMicroprocessor Forumでの講演で語ったところによると、以前「Astro」というコード名で呼ばれていたEfficeonは、完全に刷新されたプロセッサで、従来のモデルよりも大幅に高いパフォーマンスを実現するという。
同社は、今年後半に1.3GHz版が出荷される同チップの設計を見直すとともに、Windowsや、元々IntelベースのPC用に書かれたアプリケーションが同チップ上で動作するようにする「コードモーフィング」ソフトウェアも新バージョンを開発した。同時に、ノートブ型パソコンにとって重要な要素である消費電力についても、これまで同様に低く抑えられている。
同チップは、I/O(入出力)を処理する米NvidiaのnForce3 Go120 Media Communications Processor(MCP)と組み合わせてノート型パソコンに搭載される。Transmetaは、nForce3についても14日に発表を行った。
Ditzelはまた、同社の省電力技術の新バージョン、LongRun 2のデモも行った。LongRunは、特定のトランジスタが使われていない時には、この動作速度を落とすかオフにすることで、チップの電力消費を押さえ込む仕組みになっている。
LongRunの最初のバージョンでは、コア電圧、もしくはプロセッサを動作させるのに使う電力に焦点をあてていた。それに対して、LongRun 2では閾値電圧に焦点をあてることで、消費電力を押さえている。なお、Transmeta CEOのMatthew Perryによれば、閾値電圧とは、トランジスタのスイッチを入れるために必要とされる最少限の電圧を指すという。閾値電圧を制御することで、プロセッサに送り込まれながら使われる前に浪費されてしまう、いわゆるリークする電力の量を削減できるという。LongRun 2は、将来登場するEfficieonに搭載の予定だ。
ところが、Transmetaはこれを普及させるという課題に直面している。同社は早くからソニー、富士通、NECといった多数の顧客を何とか確保したものの、売上の伸び悩みやライバルの増加といった一連の問題から、ここ2年間は苦戦を続けている。
たとえば、タブレットPCにTransmeta製チップを採用していた米Hewlett-Packard(HP)は、次期モデルではIntel Pentium Mを採用する。しかし情報筋によると、HPではConsolidated Client Infrastructureという今秋登場予定のブレード型デスクトップシステムのオプションとしては、Transmetaチップを採用するという。
大抵のチップベンダーは、既存のソフトウェアと新チップの下位互換性を確保するため、数年間はチップ設計の大幅な見直しを行わない。Ditzelによると、Transmetaにそれが可能なのは、Transmetaのチップが直接実行する部分が、コードモーフィングソフトウェアという自社開発ソフトウェアのごく一部のみであるためだという。
しかし、中間ソフトウェアレイヤはパフォーマンスの障害となり得る。あらゆる障害を回避するため、同社はチップの強化に踏み切った。Efficeonはクロックサイクルあたり最大8つの命令を実行する。つまり、理論的には同様のチップよりサイクルあたりの作業量が多くなる。
「8命令発行マシンは相当な数の命令を一度に処理できる」(Ditzel)
Transmeta提供のベンチマークによると、低消費電力機能が有効になったTransmetaチップは、Intelで最も低消費電力のPentium Mをパフォーマンスで上回る。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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