ウェブ経由でビジネスソフトウェアを提供する企業に復活の兆しがある。この新たな市場で先頭に立つ2つの企業が、来年の株式公開を検討中だ。
そのうちの1社は米Salesforce.com。同社はハイテク企業のIPOブームを再燃させそうな企業の1つとして、米Googleと並んで頻繁に取り上げられている。サンフランシスコに本拠を置く同社は、競合ソフトウェア会社、特に米Siebel Systemsをけなすことで名を揚げてきた。両社とも、企業のセールスやマーケティングを合理化するためのビジネスソフトウェアを販売している。Salesforceは、月額制の、ウェブ経由で利用可能な同社製ソフトウェアのほうが、Siebelの競合製品よりも安価で使いやすい、と主張している。
Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioffは、自社ではIPOの準備が整っているが、まだ急いで行なうつもりはない、と言う。しかし、Fortune誌の最近の記事は、同社が1年以内に株式公開することを予想する業界ウォッチャーらの声を載せている。Benioffは、今週開催されるあるベンチャーキャピタルのカンファレンスで、この件についての考えをさらに明らかにすると見られている。このカンファレンスには、ニューヨーク証券取引所およびNasdaq株式市場の会長らも出席する見込みだ。パネルディスカッションの議題は「レモネードかレモンか:株式公開は、苦痛の伴なう喜びなのか?」だ。
Salesforceと競合している米NetSuite(旧名NetLedger)も、株式公開のタイミングを見計らっている。「我が社が来年末までに、望めば株式公開できる状態になるのは間違いない」とNetSuiteのCEO、Zach Nelsonは述べている。
同社の株式の大部分は、米OracleのCEO、Larry Ellisonが所有している。同社は、売上の面ではSalesforceより小規模で、まだ黒字化していないものの、同社もSalesforceと同様の成長カーブを描いているようだ。Salesforceの今年の予想利益は、昨年の売上の2倍もの額に相当する1億ドル。NetSuiteの今年の予想売上は2000万ドル前後で、昨年の4倍に成長しているという。NetSuiteはヨーロッパとアジアに進出する計画で、ロンドンに間もなくオフィスを開設し、さらにオーストラリアでは新たな販売代理店契約を結んでいる。
将来の投資家にとって最も重要な利益について、Salesforceは過去2四半期の利益が黒字だと述べている。またNetSuiteのNelsonは、同社が来年第1四半期に黒字化する見込みだと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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