台湾政府は、JavaベースのIDカード2200万枚を国民に配布する作業を完了した。2200万枚という数字は、この種のカードの配布枚数としてはアジア最大規模となる。
米Sun Microsystemsの声明によると、台湾のBureau of National Health Insurance(BNHI)が同社のJava Card技術を選んだ主な理由は、個人情報の盗難防止機能にあるという。
各種の報道によると、台湾では政府助成の医療サービスを受ける際に、他人に成り済ますための個人情報の盗難が行われているという。
このIDカードは、32キロバイトのメモリを備えたマイクロプロセッサ1基を搭載し、アレルギー情報、緊急連絡用の電話番号、医薬品、個人保険などのデータが保存可能。
また、新たなアプリケーションが入手可能な時には、いつでもそれらをダウンロードし、カードに保存することができる。カード上でアプリケーションを実行させることで、他人に知られたくない個人データをネットワーク上でやりとりしたり、あるいは全トランザクションを処理するため、中央にサーバを設置する必要がなくなる。また、バックエンドサーバ上でアプリケーションを実行するよりも、カード上で実行した方がどの処理も速く済むという。
「Javaカード技術により、カード発行者はユーザーのニーズの変化に応じてサービスやカード上のアプリケーションを変更できるため、カードを新しいものに取りかえるための追加コストも不用だ」と語るのは、Sun Microsystems Greater Chinaのグローバルセールスオペレーション担当バイスプレジデント、Daniel Yu。
声明によると、以前の紙ベースのカードシステムに代わる新たなシステムとして、2200万枚のヘルスカードの配布が開始されたのは昨年の7月のことで、当初は今年5月までに全てのカードの配布が完了する予定だったという。カードの発行コストは1枚当たりおよそ2ドルだ。
SunのJava Card技術を使用することで、「スマートカード」を作ることができる。スマートカードとは、基本的に独自のマイクロプロセッサとメモリを備えた、クレジットカードほどの大きさの特別な目的用のコンピュータを指す。
なお、タイでは台湾の場合よりも、さらに大規模なカードの配布が計画されている。Bangkok Postの報道によると、タイ政府は全国民6100万人に対し、Javaベースの国民IDカードの発行を予定しているという。
そのカードには保険、税金、福祉給付についての情報のほかに、バイオメトリック認証機能も組みこまれる。レポートによると、タイ政府は今年度中に、この計画を開始する予定という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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