「Flashにもうブラウザは要らない」- 米マクロメディア、Centralを公開

 ソフトウェアメーカーの米Macromediaは米国時間24日、広く普及しているFlashアニメーションフォーマット用のアドオンで、ネット上の情報をオフラインでも容易に参照できるようにするCentralのテストバージョンをリリースした。

 Macromediaでは、ブラウザに依存しないアプリケーションの開発を可能にすることで、Flashデベロッパーの市場を拡大するものとして、このCentralに期待を寄せている。CentralはMacromediaが無償配付するFlash Playerソフトウェア上で動作し、レストランのお勧めメニューから職場の名簿まで、さまざまなFlashベースのサービスを利用する際に、統一されたインタフェースを提供する。

 典型的なサービスでは、回線接続時にインターネットから情報を入手し、あとで回線接続の有無にかかわらず検索できるよう、この情報をPCに保存するという形になる。

 Macromediaは、Centralのテストダウンロードで2種類のサンプルサービスを提供している。1つはMovie Finderというもので、メディア大手のTribune MediaやレビューサイトのRotten Tomatoesなどから抜粋した情報を組み合わせ、各地域毎の映画情報を上映時間と共に提供している。また、天気予報サービスは、AccuWeatherから抜粋した各地の最新予報をはじめとする各種データを提供する。

 Macromediaのチーフソフトウェアアーキテクト、Kevin Lynchは、「基本的には2種類の無償アプリケーションを用意しており、それを見てもらえればCentralがどんなものかを分かってもらえると思う」と語った。

 MacromediaはCentralのコンセプトを浸透させるため、米Intelをはじめとする複数のパートナー各社と協力を進めている。Intelはモバイルコンピューティングに重点を置いたCentrinoの販促キャンペーンの一環として、Centralで提供するサービスを打ち出す。同社はさらに、25日に幕を開ける「One Unwired Day」プロモーションの一環として、Centralアプリケーションのデモを行う。

 Lynchによると、来月提供されるソフトウェア開発キットには、数千社のFlashデベロッパーから申し込みがあったという。同氏は、年末の最終バージョン登場時には豊富な数のアプリケーションが揃うと見込んでおり、Macromediaはこれらを自社のCentralサイトで販売する予定だ。

 Macromediaは昨年、ウェブデザインにおけるFlashの役割拡大を目指して大規模キャンペーンを展開し、ウェブアプリケーションの設計やユーザーインタフェース構築に幅広く利用できるフォーマットとして、同ソフトウェアを売り込んできている。

 Centralのテスト版である同ベータは、WindowsとMac OS Xの両バージョンがMacromediaのCentral Webサイトからダウンロードできるようになっている。同ソフトウェアは、今後のバージョンで携帯端末などの各種デバイスにも対応していく。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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