Webサービスの高信頼メッセージング仕様策定を進める技術委員会は米国時間9月4日、業界大手の米IBMと米Microsoftの支持を得ずに、策定手続きを進めることになりそうだ。
同仕様を支持する富士通、日立、NEC、米Oracle、米Sun Microsystemsの各社は、提案中のWeb Services Reliability標準に基づいた製品が、設計通りにデータをやりとりできることを実証するデモンストレーションを同日行う。今回の実証は、標準化団体であるOrganization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のWeb Services Reliability技術委員会の会議のなかで行われる予定。
高信頼メッセージングは、情報を容易に共有できるアプリケーション構築のための、業界のガイドラインであるWebサービスの採用を促進するために、最も急を要する追加事項。高信頼メッセージング標準は、異なるソフトウェアプログラム間での情報共有を、単一アプリケーション中での共有と同レベルで可能にするための仕組みの定義に必要とされている。アナリストによると、標準が1つにまとまらなければ、最終的にはWebサービス採用の妨げにつながるという。
だが、業界標準に対するニーズがあるにもかかわらず、競合するITプロバイダー間の対立によって、高信頼メッセージングは台無しになってしまった。
このWeb Services Reliabilityの仕様は、業界標準として検討すべく2月にOASISに提出された。高信頼メッセージングの機能は、メッセージを使ってコンピュータ同士で送受信されるデータが、意図された相手に確実に届くように設計されている。
だが、そのわずか数週間後に、Microsoft、IBM、米Tibco、そして米BEA Systemsの各社が高信頼メッセージングWebサービスの別の独自仕様を公開した。そして、Microsoftは7月に、WS-Reliable Messagingという同社の仕様に対する関心とフィードバックを集めるべく、会合を開いた。ただし、こちらの方はまだ標準化団体に提出されていない。
全体としては、Webサービス標準はソフトウェアプロバイダー各社が採用しており、異なる企業の製品に宣伝通りの互換性を持たせるべくWeb Services Interoperability Organizationがガイドラインを発行している。しかし、高信頼メッセージングやビジネスプロセス自動化といった、より高度な機能で妥協点を見いだす話の方は、さらに議論が沸騰している状態だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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