米Microsoftは今週、デジタル著作権管理(DRM)技術に関連する初のWindows用アドオンをリリースし、また企業での著作権管理のためのサーバソフトの価格を発表するなど、DRM戦略で動きを見せた。
同社戦略で重要な要素となっているのは、社内メモからソフトウェアアプリケーションにわたる、さまざまなデジタルファイルへのアクセス制限だ。
この戦略を進める上での主要コンポーネントは、企業文書へのアクセスを管理するサーバソフトウェアWindows Rights Management Services(WRMS)と、間もなくアップデートされる同社の生産性向上スイート、Office 2003に新たに含まれるInformation Rights Managementツールだ。
またMicrosoftは、同社で開発している「next-generation secure computing base」技術をさまざまな製品に組み込むという、大規模な計画も述べた。この技術は以前「Palladium」という名で知られていたもの。
DRM戦略のなかで最初に利用可能となるコンポーネントは、Windows Rights Management Client。これは無料のWindowsアドオンで、今週ダウンロード可能となった。
Windows Rights Management Clientは、Office 2003で作成されたセキュア文書など、Windows Rights Management Servicesに結び付けられた文書やファイルを開く際に必ず必要となる。このクライアントは、Windows XP、Me、98SE、2000、およびWindows Server 2003用のバージョンが提供されている。
Microsoftは、他にも複数のデスクトップ用Windows Rights Managementツールの開発に取り組んでいる。たとえば、Office 2003を持っていなくてもセキュア文書を読めるようにする、Internet Explorerウェブブラウザ用アドオンなどだ。このプラグインは、現在ベータ版がリリースされており、最終バージョンのリリースは来月のOffice 2003発売日頃になると見られている。
またMicrosoftは今週、Windows Rights Management Servicesの価格戦略も明らかにした。Windows Rights Management Servicesは、Windows Server 2003オペレーティングシステム(OS)と連動し、セキュアなファイルに対するユーザーのアクセス権限を管理するサーバソフトウェアだ。
Windows Server 2003のユーザーなら、ソフトウェアのインストール自体は無料でできる。しかしクライアント用のアクセスライセンスは、WRMSで保護されたファイルにアクセスするユーザー1人毎に支払わねばならない。ライセンス料は、1ユーザにつき37ドルか、5ライセンスのパックで185ドル。また、企業ネットワーク外部のユーザーがセキュアなファイルに全面的にアクセスできるようにする「External Connector License」は、1万8066ドルとなっている。
調査会社米Directions on Microsoftのアナリスト、Matt Rosoffは、クライアントアクセスライセンスはやや意外だったと述べている。WRMSへのアクセスを無料にすれば、伸び悩んでいるWindows Server 2003の売上向上につながる可能性があるからだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」