複数のコンピュータやストレージシステムをつなぐグリッドソフトウェアの開発を進める団体、Globusが、新しい専門知識の獲得に役立つと期待する国際的な展開を反映させるべく、正式名称と運営委員会の変更を行った。
これまでGlobus Projectと呼ばれていた同団体は米国時間9月2日、名称をGlobus Allianceに変更したことを明らかにした。
Globusは、アルゴンヌ国立研究所、南カリフォルニア大学情報科学研究所(ISI)、そしてシカゴ大学という米国の3つの組織が1995年に設立した団体。
その後ヨーロッパから、スコットランドのエジンバラ大学とスウェーデン並列コンピュータセンターという2つの組織が、重要なパートナーとして参加しており、エジンバラ大学の研究者にはグリッド上でデータベースを動かす研究の専門知識があり、いっぽうスウェーデンのグループはセキュリティ関連の研究を拡げると、Globusでは説明している。
グリッドコンピューティングの考え方は、組織や地域を越えてコンピュータ関連リソースを共有する手段として、学問分野で発展した。Globusは、米IBMなどの企業の参加を得て、Globus Toolkitというグリッド管理ソフトを手直しを進めているが、これはグリッド技術を企業でも利用しやすくするために、Webサービス標準を使うようにするというものだ。
コンピュータ関連リソースをひとつにまとめるグリッドツールは、IBM、米Sun Microsystems、米Hewlett-Packard(HP)などの企業が、異種システム統合によるコスト削減と信頼性向上に向けて進める、「ユーティリティーコンピューティング」の取り組みの、重要な部分となる可能性がある。また、オープンソースソフトウェアプロジェクトのGlobus Toolkitには、分散したユーティリティコンピューティング関連作業を密接に結びつけてくれるポテンシャルがある、との意見もある。
Globusはまた、Globus Toolkitプロジェクトを管理する運営委員会も発足させた。同プロジェクトはこれまで、アルゴンヌおよびシカゴ大学に所属するIan Foster、南カリフォルニア大学のCarl KesselmanおよびKarl Czajkowski、そしてアルゴンヌのSteven Tueckeが、正式な形を取らずに運営してきた。だがGlobusは今回、これら4人のほかにエジンバラ大学のMalcolm AtkinsonおよびMark Parsons、そしてスウェーデン並列コンピュータセンターのOlle MulmoとLennart Johnssonを加えた、正式な運営委員会を発足したことを明らかにした。
Globusプロジェクトを公式なものにする取り組みの一環として、Globusは他の教育機関も同プロジェクトの方向性と技術に対して発言できるよう、大学提携プログラムを追加したことも明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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