米Microsoftは9月1日(米国時間)に、大企業顧客のための新ライセンス条項を導入し、Officeソフトウェアの次バージョンのボリュームライセンスの価格を、現在と同じにする旨を発表する。
同社は、パソコンメーカーなどの認定ディストリビュータに製品を配布するスケジュールを、毎月1日に繰り返し更新している。9月1日のスケジュール更新では初めて、市場トップの生産性向上パッケージ、Office 2003のパッケージ内容と価格が発表される。
Microsoftの関係者は、Office 2003のボリュームライセンス価格が、現行バージョンのOffice XPのボリュームライセンス価格と同一になると述べたが、これは値下げを予想していた一部アナリストを困惑させることになる。
Office XPの小売価格は数カ月前に値下げされた。Microsoftが最近発表したOffice 2003の小売価格も、この値下げ後の価格と同じになっている。
調査会社米Directions on MicrosoftのアナリストPaul DeGrootは、Microsoftがボリュームライセンス価格を小売価格と同様に値下げしないのは、誤った戦略かもしれないと述べている。小さな企業はとくに、制約の多いボリュームライセンスプランの採用を見合わせ、若干割高だがはるかに融通の利く小売バージョンを購入するだろう。
「小売価格とボリュームライセンス価格が非常に近くなっていることは、大きな問題だと思う。小売バージョンなら、いつでも欲しいときにアップグレードを購入できることに着目し、そのほうがよいと考える顧客は多いだろう」(DeGroot)
既報の通り、Microsoftは9月1日に多数の新ボリュームライセンス条項を発表する。ライセンスの変更は主に、Software Assuranceプログラムに対する大企業顧客の印象を良くすることが目的だ。Software Assuranceは、顧客に定期的なアップグレードを強いることから、論議を呼んでいるライセンスプログラムだ。
ボリュームライセンス価格には変更がないものの、Microsoftは新ライセンス条項により、大口客に新たな特典やサービスを提供し、割安感を出そうとしている。あらたに提供されるオプションには、Microsoftや公認トレーニングパートナーによる、無料オンライントレーニングや、技術サポートの強化、Microsoftのバグ追跡情報サービスTechNetへのアクセスなどがある。また顧客は、従業員が同じOfficeのコピーを、職場と家のパソコン両方にインストールできるライセンスを選ぶこともできる。
Microsoftはまた、顧客がSoftware Assuranceに加入しやすいような工夫も行なう。Office 2003の新ライセンス条項では、パソコンにプレインストールされたソフトウェアの顧客が、OEMライセンスをSoftware Assuranceプランに変更できるようになっている。同社は今月、OEMパートナー会社に対し、この計画の詳細を明らかにした。
DeGrootはライセンス条項の変更により、既にSoftware Assuranceの顧客となっている多くの人々は、同プログラムをより好ましく思うはずだが、ライセンスプランの変更が新たな加入者増につながるとは考えにくい、と述べている。
「今回のライセンス条項の変更は特典の追加であり、この利点に惹かれる顧客も多少いるかもしれない。しかし変更は、全体像を劇的に変えるようなものではない。だが(Software Assuranceを)更新すべきかどうか迷っている一部の顧客の気持ちは変えられるかもしれない。特典が増えたことが、彼らの決定の最後のひと押しとなる可能性がある」(DeGroot)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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