米デル、HPの決算発表翌日に自社製品を全面値下げ

 米Dellは20日(米国時間)、同社の全製品を対象に値下げを行った。この値下げ発表は、ライバルの米Hewlett-Packard(HP)が過激な安売りを行った結果、期待を下回る業績を発表した翌日に行われた。

 Dellは、大企業向けのサーバでは22%、中小企業向けのデスクトップコンピュータでは6%もの価格切り下げを行った。他に、ノート型PCでは3%、プリンター及びプロジェクター製品では13%の値下げも行われた。

 「Dellモデルの効率性のおかげで、我々は更なる価格の値下げとコスト削減による顧客への利益還元を実現している」と、Dellの最高執行責任者(COO)を務めるKevin Rollinsは、この値下げ発表の中で述べた。

 今回の価格引下げは、効率性ではDellにかなわないということをHPに示そうというメッセージを含んでいると米調査会社ARSのアナリスト、Toni Duboiseは言う。

 「価格値下げを通じてDellを打ち負かすと公言し、その結果業績悪化という報いを受けたHPからすれば、Dellの値下げはある意味HPを震え上がらせるものとなるだろう。Dellはまだまだ値下げする余地がある、と言っているようなものだ」と、HPの第3四半期の業績悪化に関連して、Duboiseは語った。

 HPは今年5月から7月末までの第3四半期に、デスクトップPCの価格を349ドルにまで引き下げる、挑戦的なPCの新料金体系を採用した。これはまさに打倒Dellのための戦略であったが、結果としてこの第3四半期でHPは予想していた部品価格が下落しなかったために打撃を受けた。

 Duboiseによれば、Dellの今回の値下げはハイエンドのメモリや、オプション搭載用の光学ドライブやCPUなどの部品価格の値下がりを期待してのものだ。だが「Dellの注文生産(BTO)モデルは、部品価格の低下を製品価格に反映させる一方で、他の部品の追加によって販売価格を引き上げる余地を残している」と彼女は付け加えた。

 例えば、PCの基本セット価格は下がるかもしれないが、もし購入客がメモリを増設したり、よりハイエンドのCPUを選択すれば、Dellはシステム全体の価格を引き上げることができる。

 Dellの価格値下げはしばしば計画されていたと同社の広報担当Wendy Gieverは述べ、今回の値下げを報道機関向けに発表するかどうかを決定するのに、HPの業績発表が影響したかどうかについてはコメントを避けた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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