ユーザビリティテストを専門とするドイツの会社が行ったテストによると、LinuxはWindows XPに比べて、使い方を習得するのが僅かに難しいだけだという。
このテストは、KDE 3.1.2デスクトップ環境が動作するSuSE Linux 8.2 ProfessionalとWindows XPを比較したもので、被験者となったユーザーによる両者の使い方の習得や、同一タスクの処理については、LinuxとWindowsの間にほとんど差は見られず、また一部のタスクにおいては、Linuxのほうが速い場合もあったという。
Linuxが、政府機関や大企業で使われるデスクトップPC用のオペレーティングシステムとして浸透し始めた現在、普通のエンドユーザーにはとっつきにくいというLinuxに対する認識を変えるのに、今回のテスト結果が一役買うかもしれない。デスクトップPC用OSの市場を独占している米Microsoftと同社のWindows OSにとって、Linuxは最も危険な競争相手と考えられている。
ベルリンが本社の調査会社、独Relevantiveによれば、今回のテストは両オペレーティングシステムのユーザビリティ調査に重点を置いたという。このテストでは、2つの被験者グループが基本的な事務処理や電子メールのやりとりを含む、一連のタスクを行った。60人の被験者がオープンソースのアプリケーションを使って、Linux環境で作業を行い、いっぽう別の20人はWindows XP用アプリケーションで作業を行った。どの被験者も、割り当てられたオペレーティングシステムを使うのは、今回が初めてだった。
それぞれのグループは、指定されたタスクをどのくらい簡単に完了できたかを尋ねられた。Windows XPのグループに比べて、Linuxグループのほうが若干時間がかかり、タスクの完了までにかかった時間は平均で44分49秒だった。これに対し、Windows XPグループの場合は平均41分21秒だった。
また、Linux側の被験者の80%は、テストで使用したLinuxシステムに慣れるには1週間もあればよい、と答えた。Windows XPの場合、そう答えたのは85%だった。この結果から、ユーザーは積極的にLinuxへの移行を受け入れ、使い方を習おうとするだろうと、この調査は述べている。
さらに、Windows XPグループでは被験者全員が同OSのデスクトップとアプリケーションのデザインが快適で使いやすかったと述べた。それに対して、Linuxグループの場合、そう回答したのは83パーセントに過ぎなかったという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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