ソフトウェアメーカーの米SCO Groupは5日(米国時間)、Linuxベンダーの最大手である米Red Hatに反撃し、またオープンソースOSのLinuxに関して、SCOとの法的な争いを避けたいLinuxユーザーに向けた、法外なライセンス料を発表した。
SCOの最高経営責任者(CEO)Darl McBrideは、報道陣や財務アナリストとの電話会議のなかで、SCOの所有するUNIXのコードが違法にコピーされたLinuxソフトウェアを配布しているとして、Red Hatを激しく非難した。
「Red Hatによる提訴は、我々のこれまでの主張を裏付けるもので、Linux開発者はLinuxのカーネルにUNIXのコードが取り込まれるを避けることができない、または避けるつもりがない」とMcBride。「Red Hatは、UNIX System Vから取り出されたコードが、そっくりそのままの形で含まれているLinuxを販売している」(McBride)
Red Hatは、現在係争中であることを理由にコメントを拒否した。
Red Hatは、Linuxおよび関連アプリケーションを扱う最大手のディストリビュータだが、同社は4日デラウェア州の米国地裁で提訴した。その訴状のなかで同社は、SCOのビジネス上の秘匿事項や知的所有権を自社では侵害していないことを確認する裁定を出すよう求めている。同社では、SCOの行動がLinuxに対する恐れや不安、疑心を煽ることで、Red Hatや他のLinuxサポーターのビジネスに害を及ぼそうとの意図で起こされたものだと主張している。
いっぽう、SCOは5日に、事前の約束どおり、同社の許可を得てLinuxの利用を続けたいという企業向けの、ランセンスプログラムを発表した。この新しいライセンスは、Linuxのなかに混じっているとされるUNIXのコードを含めて、SCOがコントロールする全てのUNIXコードに対する使用許可を、顧客に与えるもので、Linuxカーネルの2.4バージョン以降のものが対象となる。
無料のはずのOSに対し、そのライセンス料は法外に高い。導入価格は、デスクトップコンピュータ用Linuxの利用に対して199ドル、CPUが1つのサーバー用のLinux利用には699ドルとあり、導入価格の期限が切れる10月15日以降には、後者のサーバー用ライセンス料は1399ドルに跳ね上がる。これに比べ、Red Hatが販売する標準仕様のデスクトップ用Linuxの価格は39ドルだ。
McBrideは、SCOのライセンスを得ないままLinuxを使い続ける企業は、法的措置の対象となる可能性があると述べた。「私たちは絶対に、100%の確率で、自分たちの知的財産権のために戦う。ライセンスにより知的所有権が守られなければ、強制措置を採らざるを得ない」(McBride)
リサーチ会社IlluminataのアナリストGordon Haffによると、訴訟の矛先がエンドユーザーに向けられるようにならない限り、SCOにライセンス料を支払う企業はほとんどないという。
「SCOはいくらかのライセンス料を得ようとすると思う。しかし、実際に誰かを法廷に引きずり出すとの意思を示す行動に出ないうちは、うまくいかない」(Haff)
しかし、SCOの知的所有権の主張が認められた場合は、このようなライセンス料の設定がLinuxの息の根を止めてしまうと、Haffは述べた。
「Linuxから価格競争力を取り上げ、オープンソースという開発モデルを実質的に取り除いたら、いった何が後に残るというのだ」(Haff)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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